「ユニクロ」の世界展開を進めるファーストリテイリングは、店長候補として採用した全世界の正社員と役員の賃金体系を統一するという。社員の評価基準を国内、海外で同一にするとともに、成果が同じなら賃金も同水準となる。役員などで実施していた形態を、一部の店長にまで広げる考えだ。
グローバル経済の加速により、今ではさまざまな業種でボーダレス化が進んでいる。仕事内容が同じであれば、経営側の論理として当然ながら賃金の安い人材を採用する。「単純労働」や「マックジョブ」と言われる領域では、すでにかなりの変動が起こっており、当たり前のように海外の人が働いている。昔は国や地域で著しく所得が異なっていたが、最近では新興国に富裕層、中間層が生まれ、先進国の富裕層、中間層との差が縮まってきた。「ユニクロ」の世界同一賃金導入は、そうした経済のボーダレス化を象徴するものだと言えるだろう。
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