4月17日にデータ・マックスで行なわれた「『めんべい』に学ぶ ヒット商品の創り方」セミナー。(株)山口油屋福太郎の山口勝子専務の講演に感銘を受けたという女性が多かったことから、緊急座談会を開催した。女性ならではの視点と男性顔負けのセンスで経営に携わる山口専務の生き方について、参加した女性陣がさまざまな角度から熱く討論。これから女性たちがどう企業に向き合えば成功につながるのか、それぞれが感じた思いを語り合った。
■参加は下記の女性5名
女性A・・・弊社記者 女性B・・・健康食品会社の幹部
女性C・・・食品会社の企画・開発部員 女性D・・・駆け出しの営業ウーマン
女性E・・・社員教育を手がける人事担当者
山口専務 実際に担当して、仕事の大変さを体験しないと社員に指導しても伝わらない!
(※全部署を経験した山口専務は若手を自分の近くに置き、気づいたことを実践しながら指導している。"自らが何をすればいいかを考える" "言われたこと以上のことをする"ということが山口専務が考える仕事の定義。それを覚えればどんな職場でも活躍できるという。)
――社員教育はどの企業にとっても難しい問題ですが、皆さんの思う理想の社員教育とはどのようなものでしょうか。
女性D "どうしてダメなのか、どうしたら良いのか"ということを理由と行動で示してくれると若手も良い方向に考えていくと思います。山口専務のようにすべての部署を経験されている方ならなおさら、説得力もありますし、言葉に重みがあると感じます。
女性E 説得力は大事ですよね。「私の背中を見て学べ」と言われても理解するまでに相当時間がかかりますし、逆に「これもダメ!あれもダメ!」と否定され、結局何が正しいのかを教えないという方も結構いると思います。実際に経験していない方に指導されても「こちらの労力も知らないで...」とスルーされがちだと思います。やはり指導する方でも、ある程度理解をもって指導にあたらないと技術力の向上も図れませんし、企業理念も浸透しにくいと私は考えています。
女性C セミナーを聞いて思いましたが、若手が声をかけやすく、「この人に相談したら何か良い方向に進められる」と思える部分を山口専務から感じました。おそらく、経営者側と社員側との壁がないんでしょうね。気兼ねなく意見を言い合える社風は理想的ですね。
女性B やはり"社員を何が何でも守っていく"という経営者側の姿勢も大切だと思います。その思いが社員たちに伝わり、その相乗効果として企業や社員たち、そして社員たちの家族が幸せになるということが一番大事だと考えています。私も社員教育に携わっていますが、ダメなところは何度も繰り返し教えます。でもそれ以上に良いところは褒めるように心がけて指導しています。
女性A 経営者側も社員側もお互いに何かしらのリスペクトをもって接することで信頼関係が強くなると思います。 出会いをビジネスのヒントに、苦労を笑い話にできる人材が今、求められているんじゃないでしょうか。経営者側は大きな心で受け止められる受け皿を社内につくることが良い社員教育につながると思います。
<セミナー講師のプロフィール>
山口 勝子(やまぐち・かつこ)
1942年、福岡市博多区生まれ。創業者山口源一氏の孫娘。高等学校卒業後、(株)山口油屋福太郎に入社。総務、経理、明太子製造、店頭販売、営業など、社内すべての部署を経験。現在は、専務取締役として社長をサポートする役割を担いながら、企画室を運営し、新商品開発を手がけている。
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