4月17日にデータ・マックスで行なわれた「『めんべい』に学ぶ ヒット商品の創り方」セミナー。(株)山口油屋福太郎の山口勝子専務の講演に感銘を受けたという女性が多かったことから、緊急座談会を開催した。女性ならではの視点と男性顔負けのセンスで経営に携わる山口専務の生き方について、参加した女性陣がさまざまな角度から熱く討論。これから女性たちがどう企業に向き合えば成功につながるのか、それぞれが感じた思いを語り合った。
■参加は下記の女性5名
女性A・・・弊社記者 女性B・・・健康食品会社の幹部
女性C・・・食品会社の企画・開発部員 女性D・・・駆け出しの営業ウーマン
女性E・・・社員教育を手がける人事担当者
山口専務 他社が追随できない商品をつくるには原価率を高くするしかない!
(※山口油屋福太郎では、湿度や気温などによって『めんべい』の出来が変わるため、味覚テストに合格した社員たちが毎日試食し、出荷できるかどうかを判断している。味に厳しいゆえに出荷停止したこともあるという)
――今後、どのような商品づくりが消費者の心をつかむと思いますか?
女性C 価格、味(品質)、量は必須だとして、そのほかで言えばしっかりと情報を公開している商品をつくる企業が勝ち残っていくのではないでしょうか。消費者側としてはやはり安心・安全なものを買いたいですから。
女性B 大切なことだと思います。粗悪な原料などを使った商品を売れば、当然利益は大きいでしょうが、それでは長く愛される商品は生まれませんし、何より企業の信用がなくなります。これからの時代は消費者が安心できるクオリティの高い商品づくりが求められるでしょう。
女性D 山口専務も同じようなことをおっしゃっていましたね。割れない『めんべい』をつくるとおいしさ(品質)が下がるので、あえて割れやすい『めんべい』をつくっているんだとか。その分、コストはかかりますが、「おいしさを追求しなければ消費者は離れていく」との理由から、毎日社員たちと試食してチェックしているそうです。そういう"こだわり"から信頼が生まれてくるのだと思います。
女性A そういう意味で『めんべい』は、商品構成自体が"利他の心"からできている感じを受けますね。産地偽装が後を絶たない今、信頼性が高い商品、そしてその商品を提供する企業に消費者は流れていくのではないでしょうか。
女性E 山口専務がいう「他社が追随できない商品」というのは、利益重視ではなく品質重視ということなのですね。消費者たちは、食品に敏感ですから 今後も安心・安全でクオリティの高い"ホンモノ志向派"が増えていくことでしょう。
<セミナー講師のプロフィール>
山口 勝子(やまぐち・かつこ)
1942年、福岡市博多区生まれ。創業者山口源一氏の孫娘。高等学校卒業後、(株)山口油屋福太郎に入社。総務、経理、明太子製造、店頭販売、営業など、社内すべての部署を経験。現在は、専務取締役として社長をサポートする役割を担いながら、企画室を運営し、新商品開発を手がけている。
※記事へのご意見はこちら