<衆議院HPにある国会会期一覧>
衆議院のHP内には、「国会会期一覧」という資料が掲載されている。
これを見ると、同じ国会でも長期にわたって開かれた回もあれば、わずか数日の短い国会があったことがわかる。それを同じに扱って「第○回国会」とすることに、違和感を覚えないでもない。
<会期ごと、国会回次ごとに考えると便利な理由>
国会のさまざまなルールは、会期ごとに定められる。本会議やそれぞれの院全体のことは、それぞれの国会が始まるときに、衆参それぞれの議院運営委員会で、たとえば、どのような目的でどんな特別委員会を設置するのかというようなことや、それぞれの委員会の理事や委員の各会派への割当数はどうするのかというようなことを決める。これを「院の構成」という。また、それぞれの委員会、調査会の運営についても、ごく短期間の国会を除けば、基本的には国会が始まってからそれほど経たないうちに、委員会の定例日はこれまでと同じにするかどうか(何曜日に開会するか)など、ルールを定める。
国会ごとに政治的な流れのようなものある。国会は、予定される会期末に向けて、重要法案の審査を行なっていく。たとえば、昨年の第180回国会(常会)(2012年1月24日~9月8日)の場合は、社会保障と税の一体改革関連法案の成立に向け、審査を行なう特別委員会以外も含めて、国会全体が流れに巻き込まれるように進んでいった。会期が長い場合であっても、その国会で解決すべき政治課題が変わらない限りは、その流れは続く。
また、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙との関連もある。衆議院議員の任期満了による総選挙を除けば(この場合は臨時会)、総選挙後に召集される国会は「特別会」である。特別会と表示されている国会が始まる十数日前に解散にともなう総選挙が行なわれたということなども容易にわかる。3年に1度(2013年、2010年、2007年・・・)、常会の後に開かれる「臨時会」は、参院選後の国会である。通常は、短い国会であることが多いが、「金融国会」と呼ばれた第143回国会(臨時会)(1998年7月30日~10月16日、79日間)のように、懸案を抱えている場合には、会期が長くなる場合もある。
このように、国会の種別と組み合わせて考えながら調べるというのは、便利で合理的な面もある。ぜひ国会会期一覧を使って考えたり、調べたりすることに挑戦していただきたい。
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