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元請・鹿島の欠陥マンション?~「助けてください」住民が久留米市に要請
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2013年4月26日 18:42

sora_24.jpg 鹿島建設(株)が元請となって福岡県久留米市に建設した15階建てマンションの耐震強度が、20%程度しかないことが4月26日までにわかった。住民らは、「コンクリート強度も大幅に不足している」として、生命と財産を守るため、建て替え等を含め、元請業者である鹿島の責任を追及する構えだ。
 住民らによると、このマンションは、新生マンション花畑西(延床面積約8,000m2。約100戸)。U&A設計事務所と木村建築研究所が共同設計し、構造設計グループ森岡一博氏が構造設計し、1994年9月に建築確認済となり、新生住宅が販売した。住民らは入居当初から、コンクリートの爆裂や落下などの施工不良に悩んでいたところ、昨年頃から構造計算そのものの疑問が生じ、構造計算の検証を専門家に依頼したところ、耐震強度不足が判明した。
 26日、住民らは久留米市に対し、建築確認当時の構造計算プログラムによる検証結果を提出し、「命がかかっています。不安の毎日を過ごしている。安全かどうか、1日も早く検証してほしい」と要請した。本山忠彦建築指導課長は「安全に関する緻密な検証なので慎重に確認作業をしたい」と答えた。

 現在の構造計算プログラムで検証したところ、一次設計(通常の震度6弱程度の地震に対する安全性)の耐震強度が、基準に対し約22%しかなかった。建築確認申請当時の構造計算プログラムによる検証結果でも、耐震強度は約37%しかなかった。

 構造検証(再計算)を担当した1級建築士仲盛昭二氏(協同組合建築構造調査機構)は、「建築確認時の構造計算は、間違いや不整合があったというのではなく、詐欺に近い」と指摘。本来、「第2種地盤」と設定すべき地盤種別(地盤の強固さ)を、岩盤など良好な地盤である「第1種地盤」と故意に捏造したり、マンション管理組合に引き渡された構造計算書が竣工後の日付となっており、建築確認申請のものではないうえ、入力データが取り除かれたりしているという。
 コンクリ強度不足(加水コンクリートいわゆる"シャブコン")については、仲盛氏は「コンクリートの強度が、設計強度の68%しかなく、平屋建物の基準を下回るどころか、耐震性を求められない土間に打つコンクリート強度以下。法ではあり得ない強度で、補強のしようがなく、建て替えるしかない」と驚きを隠せない。

<耐震強度不足 想像を絶する>
 仲盛氏は「構造計算による耐震強度不足に、コンクリ強度不足を加えたら、想像を絶する耐震強度となる。中程度の地震で倒壊の危険がある"殺人マンション"の事実を知り、なんの落ち度もなく、鹿島が元請ということを信じて購入した住民の生命と財産をぜひ助けてあげたい。設計がデタラメ、シャブコンでコンクリ強度不足、地盤ねつ造のトリプル。目を覆うばかりだ。鹿島は元請としてコンクリ強度不足の責任がある。良好な地盤のはずがないのに、『第1種地盤』という構造計算を容認した責任も重い」と指摘した。

 住民は、2月初旬から久留米市に対し「恐怖のマンションから脱出しなければならないと不安です。私たちの生命と財産を守ってください」「安全で住める家がほしい」と訴え、安全性の検証や生活救済を要請してきた。

 鹿島建設九州支店の広報担当は、NET-IBの取材に対し、「第三者にはお話しするのを差し控えている」とコメントした。

【特別取材班】


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