日本ではゴールデンウィーク(以下、GW)まっただなかだが、中国にもこの時期、労働節という3連休があり、行楽地をはじめとした観光スポットは連日大賑わいだ。H7N9型鳥インフルエンザがいまだ猛威を振るうなか、国民の「どこ吹く風」の賑わいに、警鐘を鳴らす声も出始めている。
日本の外務省海外安全ホームページによると、直近で4月29日にも鳥インフルエンザの人への感染症例が更新された。それによると、29日には上海で治療中だった感染者の死亡、翌30日には福建省で新たに1例の感染症例が確認されたという。
日本のGWにあたる4月末から5月初旬にかけて、中国では「労働節」で、4月29日、30日、5月1日が休みとなっている。この3連休を利用して、国民は都心部から地方の農村部に移動する者も多い。鳥インフルエンザが人から人への感染が懸念されているなか、都心部と農村部の人の行き来を懸念する声も多い。中国版ツイッター・微博には、政府が発表しない感染情報が度々アップされている。そして、それがリツイートされることでインターネット上に拡散され、感染への注意を促している。確かな情報かどうかさえもわからないが、中国政府はこのような書き込みを見つけるとすぐに消去する「火消し」に躍起になっているという。
一方、中国の多くのメディアは、行楽地の混雑の様子を通して、鳥インフルエンザの感染の懸念などは微塵も感じられない様子を伝えている。日本の外務省はGWを利用しての中国への渡航には注意が必要とし、生きていても死んでいても鳥には極力近づかないよう、注意喚起している。
※記事へのご意見はこちら