「安定した医業・福祉経営を支えるプロ集団」。大阪府豊中市に本社を置く(株)日本経営(藤澤功明社長)は、税務会計業を出発点として、今では売上高183億円を誇る医療・介護業界を中心とした一大経営コンサルタントグループとなった。
そんな同社が今年1月、福岡に拠点を構えた。その理由について福岡オフィス長の橋本竜也氏は「当社はすでに拠点がある関東、関西だけでなく、もともと九州にもお客様が多くいらっしゃいました。そうした方々を含め、九州地域の医療・福祉施設の方々により良いコンサルティングサービスを迅速にご提供すべく、今回福岡オフィスの設置を決定しました」と語る。
医療費削減という大きな流れのなかで、診療報酬の引き下げ、療養病床の削減、そして医師・看護師の不足といった厳しい環境が医療業界を取り巻いている。さらに、消費税増税による病院の納税負担増加という大きな問題が目前に迫っている。そのなかで、いかにしてサービスの質を落とすことなく、安定的な経営体制を築いていけるか。
「病院経営が不振に陥る3大要因として、トップのリーダーシップ、放漫経営、過剰な設備投資があります。また、一般医療法人から税制面で優遇される社会医療法人を目指す病院も多いのですが、理事会構成メンバーの同族比率が3分の1以下という制限があり、実は経営陣の交代が容易になってしまうというリスクを十分にご理解いただいていない場合もあります。たとえば、こうしたメリット・デメリットと意思決定基準をわかりやすくお伝えすることが我々の役目です」(橋本氏)。
需要は確実にあるはずの医療市場で、どうして赤字経営に陥るのか。それは「医療従事者が患者を向いたサービスができていないから」と、橋本氏は答える。「我々の実績の1つに、200床を有しながら2億円の赤字を出している病院を、1億5,000万円の黒字に回復させたことがありました。そのとき毎日のように言っていたのが『ドクターはお客様に笑顔であいさつしましょう』『受け入れを断らない医療を目指しましょう』ということでした。こうした、ごく当たり前のことを見直すだけでも病院経営は大きく変わります」(橋本氏)。
<COMPANY INFORMATION>
(株)日本経営
代 表:藤澤 功明
福岡オフィス長:橋本 竜也
所在地:大阪府豊中市寺内2-13-3 日本経営ビル
福岡オフィス:福岡市博多区博多駅東1-11-5 アサコ博多ビル7F
設 立:1967年4月
資本金:20億2,958万円
売上高:(12年度)69億7,000万円
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