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【流通】百貨店は生き残れるか(中)
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2013年5月 4日 07:00

<2社合わせて約10年間で450億円の減収>
 しかし、トキハが4月22日に発表した13年2月期単独決算によると、売上高が前期比で約26%減の475億円となり、10年間で311億円の減収、11期連続の減収となった。13年2月期は、わさだタウンと別府店の直営売り場を減らし、テナント比率を高めた影響での減収としているが、地方百貨店の雄とまで称された同社は、とうとう500億円を割り込んでしまったのだ。

 一方で、スーパーマーケット部門を運営する子会社の(株)トキハインダストリーは13年2月期の決算は現在のところ未発表だが、過去3年間出店がないことに加え、不採算店舗を閉鎖していること、周辺にディスカウントストアやドラッグストアなどの新興勢力が積極出店していることを鑑みれば、減収になったと見られる。
 食品スーパー(SM)業界は他県資本の積極出店もあり、とくに苦戦を強いられている。12年2月期は26店舗で売上高337億3,300万円、9年間で126億円減収、9期連続の減収となっている。2社合わせて売上規模は約800億円、10年前で450億円の減収になっているのである。

<ライバルたちは続々と売場強化を図っていく>
トキハわさだ店 2社で450億円もの売上を落とした理由は様々であるが、JR大分駅からほど近いトキハ本店は2000年に開業した自社の郊外型百貨店のわさだタウンに客足が流れ自社内競合をしていることに加え、近隣に福岡地所が展開し、イオンが核テナントとして入るパークプレイス大分が2002年に開業し、好調を維持していることが背景にはある。更に2年後の15年春の開業を予定しているJR大分駅のアミュプラザ大分が、アミュプラザ鹿児島とほぼ同じ約3万1,000㎡となる予定で、シネマコンプレックス(複合型映画館)のほか、レストラン、専門店が入り、最上階近くには露天風呂も入る大型施設となる。車を使わなくとも電車で来れば大分駅のなかだけのワンストップで、すべてが満喫できるようになる。さらには、同時期に東急ハンズも、直営店舗を出店することを表明した。

 また、前述のパークプレイス大分は先日、同施設を運営する福岡地所が来年春に約10億円をかけて地上2階建て店舗面積6,500㎡の施設を増床することを発表。国内大手の「ユニクロ」のほか、世界的ブランドの「H&M」「ZARA」が誘致される。今年6月には西鉄の子会社の雑貨店「INCUBE」が同施設内にオープンするなど、テナントの入れ替えを随時行なうことで、施設力を強化。周辺のライバルたちは増床などで売場強化を行なっている。また、トキハ別府店は07年に道を挟んだ向かい側に開業した広島の(株)イズミのゆめタウン別府の影響を大きく受けている。関係者らは戦々恐々としているだろう。

トキハ本店 一方で、スーパーのトキハインダストリーは、こだわりの商品を取り扱う店舗として、多くのファンを有する。地元の著名人らもこぞって買い物に訪れる。しかし、デフレ景気からなかなか脱却ができない中、ディスカウントストアやドラッグストアなどの低価格帯の企業に押され、売上を落としている。大分県には、ダイレックスやドラッグストアモリなどの県外資本も多数出店しているが、今年2月には地場ディスカウントストア大手のMrMaxが10年ぶりに大分市内に出店(西大分店)、生鮮3品と惣菜を兼ね備えたスーパーセンターの開店で話題となった。同社は大分県内での出店強化を進めることを公表しており、今後、ドミナント出店をするならば、トキハインダストリーにとっては脅威となるだろう。

(つづく)
【矢野 寛之】

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