年間約600万人の観光客が訪れる日本有数の観光地である沖縄県。2011年度は東日本大震災の影響で減少傾向となったが、同年10月以降は増加傾向にある。同年7月から中国人に対する数次ビザの発給のスタートをはじめ、アジア各国との航路も本数が増加している。"(株)沖縄県営業部"として、沖縄の魅力的な観光を国内外に売り込む仕掛け人である(財)沖縄観光コンベンションビューローの安里繁信会長に話をうかがった。
<「沖縄プラスワン」という新しい発想>
――今年の状況と今後の施策について、どのようにお考えですか。
安里 11年との比較で国内10%、海外50%と、国内はまあまあの数字で伸びてきましたが、週末台風が来た関係で12年9月と10月は伸び悩みました。夏はオンシーズン、冬はオフシーズンと言われていますが、今後は春夏秋冬を商品化することが課題です。秋冬の新しい商品開発。新しい沖縄の商品化を目指しています。
今は修学旅行のシーズンで、古くから定着していますが、今後は新しい需要を掘り起こさなければなりません。誰をターゲットに、これからのライフステージの提案を行なっていくのかを考えていきたいと思います。
この秋場は「女子旅」、「沖縄でキレイになろうよ」という企画でエステスパ巡り、沖縄に恋してみようよというテーマで「恋する沖縄。」といった女性をターゲットにした商品も開発しました。
また、冬場はアクティブシニア向けの「大人の二人旅」といったこの時期にしか楽しめない商品開発を考えています。沖縄の冬の旅は面白いんですよ。食を含めて、その時期にしか食べれないものがありますから。沖縄は今まで青い海、白い砂、自然に恵まれ、それにあぐらをかいていました。これからは春夏秋冬の沖縄を楽しむ。自然プラス目的をつけるといった新しいスタイルを確立させていきたいと考えています。
――なるほど。今までの観光のあり方とは変わってきていますね。
安里 国内の観光に対する消費そのものが落ち込んできています。それを底上げしていくのが沖縄の役割だと思っています。我々は、もう1つの日本が沖縄にある。島々それぞれに物語が違い、奥行の深い沖縄を感じてもらいたいですね。
また、春はスポーツを中心に国際映画祭もあります。プロ野球のキャンプ、韓国プロ野球球団もキャンプをやります。サッカーのJリーグを含めてプロチームが練習しています。しかし、サッカーはグランドが整備されていないところもあるので、今後、整備されれば誘致はこれからもっと増える可能性がありますね。
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