＜評価を後世の人々に任せた則天武后！＞
乾陵
　乾陵は唐の高宗（628‐683）とその妃である則天武后（624‐705）の合葬陵である。陝西省乾県の北西6kmの梁山にある。唐の18カ所の陵墓のなかで、唯一盗掘されていない陵墓と言われる。梁山は南北に延びる尾根で、この自然の地形を巧みに利用して陵墓を築いている。陵の入口は梁山の南端に東西に並ぶ２峰であり、山上に土闕（楼門）をたて、その中間の低い稜線を北上する参道とし、両側に華表、飛馬、朱雀、石馬、石人を左右対象に立て、中門ともいうべき内の土闕に至る。

　その前に立つ、61体の属国首領の石造と「述聖記碑」と「無字碑」が有名である。「述聖記碑」には、則天武后が自ら著述した高宗を讃える文言8,000余字が刻まれ、「無字碑」は則天武后が自分の評価を後世の人々に委ね、何も書かれていない。

　関係者によると、陵墓周辺の雄大な地上建築物はもちろん鑑賞に値するが、乾陵の真価は、長年盗掘されずに保存されてきた、総量500トンの文物が眠っている地下宮殿にあるという。考古学調査を通じ、乾陵の墓室に通ずる墓道は、39の石板によって幾重にも重なり合い、密封され、それぞれの石板には鉄や鉛などが用いられ、未曾有の堅固な陵墓であることが判明している。そのなかには、書家ならずとも興味をそそる「書聖」王羲之の名筆である「蘭亭序」真跡があるという噂がある。

＜大雨で崩壊、復旧作業中に地下宮殿発見！＞
法門寺
　西安市内から車で１時間30分、陝西省扶風県にある法門寺はお釈迦様の真身舎利「仏指舎利」を安置していることで有名である。

　1981年、建築から数百年を経て13階建ての法門寺仏塔は大雨で崩壊した。87年、陝西省は法門寺考古チームを組織して塔基に対して復旧作業を行なった際、偶然に1113年間眠っていた唐時代の法門寺地下宮殿を見つける。法門寺地下宮殿は長さ21.4m、面積は31.48m²。多くの唐時代の文物が収蔵されており、仏指舎利と舎利を迎えるために奉献した金銀器、珠玉、ガラス器、陶磁器および絹織衣装などの宝物が約900件見つかった。特にそこからお釈迦様の真身舎利「仏指舎利」が出土したことで、この地下宮殿が秦の兵馬俑と並んで、もう一つの重大な考古発見と称され、仏教界や世界文化史上において注目されることになった。

　仏教の経典によると、古代天竺（インド）国のアショカ王が仏法を発達させるため、お釈迦様の真身舎利を分骨して、世界各地で84,000基の仏塔を建てたことになっている。中国では19基が建てられ、法門寺はそのなかの一つである。

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