今回は、前回に引き続き少し脇道にそれて、議案についての一般的な調べ方について説明する。前回は衆議院HPを使って調べてみたが、今回は参議院HPを使って調べることとする。
<参議院の「議案情報」からスタート>
まず、参議院のHPを開いていただきたい。右上の「議会情報」のなかに、「議案情報」があるので、そこをクリックしてもらうと、現在開会中の第183回国会の議案が出てくる。衆議院とは違って、最も本数が多い内閣提出の法案の一覧が最初に来て、「衆法(衆議院議員提出の法案)」、「参法(参議院議員提出の法案)」、「予算」、「条約」、「予備費等支出承諾」、「国会の承認・承諾案件」、「人事案件」、「決算その他」、「歳入歳出決算」、「国庫債務負担行為調書」、「国有財産増減等計算書」、「国有財産無償貸付状況」、「NHK決算」、「決議案」の一覧が続く。第6回で見た衆議院HPよりも分類がより細かくなっているのがわかるだろう。
<わかりやすく説明されている「議案要旨」>
衆参ともに、提出された法律案が掲載されているが、よほどの法律好きでもない限り、条文を読んで理解しようとしても限界がある。参議院の場合、衆議院と異なり、法案の内容を簡単にまとめた「議案要旨」が公開されており、どんな内容の法案なのか知りたいというときには、なかなか便利だ。参議院本会議に付される際に本会議場で配付される資料なのだが、委員会段階でその議案に関わっていない議員でもわかるようにと作成されたものだけに、概要や施行日など必要な情報がコンパクトにわかりやすくまとめられている。
(例:予防接種法改正案の議案要旨)
<審議経過の調べ方>
議案の審議経過については、衆議院の議案の頁では、「経過情報」欄の「経過」をクリックすると見ることができるが、参議院の議案の頁では、議案の件名をクリックしないと見ることができない。件名をクリックすると審議経過を見ることができるということについては特段明示されておらず、実際にクリックしてみないとそこに審議経過があるとはわからない。多少不親切かもしれない。
<議員立法提出者の名前-代表者以外はわかりにくい>
議員立法の提出者については、衆参ともに「○○君外○名」という公表の仕方しかされていない(各議員に配付される法案には提出者、賛成者の名が記載されている)。
議員立法作成に関わるには、かなりの労力を要するのに、国民は、代表となる議員1人の名前とほかに何人の議員が提出者になったかだけしか知ることができない。頑張っている議員を応援できるようにするためにも、誰が法案作成に関わったのかをもっと簡単に知ることができるようにしてほしいものだ。
<時期(国会回次)がわからないと探しにくい>
今回は、参議院HPの「議案情報」の頁を使って、議案についての一般的な調べ方を紹介した。しかし、前回もそうだったが、時期がわかっていれば探せるが、時期がわかっていないと、探せなかったり、探すのに時間がかかったりする。
次回は、時期がわからないときに、どのようにして議案について調べていくのかについて説明する。
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