北京市の卒業生就職斡旋工作会の発表によると、2013年に北京地区の大学を卒業した者で、就職に内定した者の割合は28.24%ということが明らかになった。大卒者の就職内定率が3割を切るという極めて低い数字が中国経済の停滞感を物語っている。
中国政府の教育部門によると、2013年の大卒者は699万人にのぼり、昨年比で19万人増えたという。大学生の数は増えたにも関わらず、大卒者の就職内定率が低いのは、優秀な大学生の割合が減ったといっても過言ではない。中国の企業にとっても、優秀でない大卒者は必要とされておらず、第一次産業と第二次産業が未だ主流の中国では、無駄に年齢を重ねていて、能力が伴わない高学歴の若者に対して、風当たりは強いようである。
日本の若者でも同様のことが言えるが、中国の若者における離職率は非常に高いという。北京の地元紙「北京晨報」の昨年暮れの記事によると、企業の社員全体の離職率が16.7%に対し、1980年代後半に生まれた世代の離職率は、22%と明らかに高い数字となっていると報じている。「80後」と呼ばれる世代は一人っ子政策の影響をまともに受けた世代で、一般的に「わがまま」「自己中心的」「世間知らずで何もできない」などとネガティブに表現される世代だ。彼らの世代の離職率が高いのもうなずける。
能力的に劣るにも関わらずプライドが高く、やりたいことがみつかるまで就職したくない世代と、中国経済の停滞が相まって、2013年の大卒者の就職事情はより厳しいものになっているようだ。景気の上向きで、日本の大卒者の内定率が80%を超えたとされているが、中国の大卒者の7割以上はこれからどうなっていくのだろうか。彼らの就職事情は、今後の中国経済の行方を占う指標にもなっていると言える。
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