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中洲バトルロワイヤル

違法客引き全滅? 中洲で大捕物~中洲バトルロワイヤル2013(6)
中洲バトルロワイヤル
2013年5月 9日 07:00

nakasu_img.jpg 前回、4月1日に施行された「福岡県風俗案内業の規制に関する条例」で、客引きに関する規制が厳しくなったことを伝えたが、中洲でも一斉に違法客引きが取り締まられていた。目撃者の話をまとめると、200名ぐらい博多署に連行され、うち20名が拘留されたという大捕物であった。

 「昔は、私服でもズボンにシャツを入れているから、遠くからでも何となくそれ(警官)とわかっていたんだけど、今はかなり服装を世間に合わせていて本当にわからない。髪を染めている若い警官もいるしね」と、スナック経営者。見た目でわからない私服警官に声をかけて、引っ張られた客引きも少なくはないのではないかという。もっとも、服装と雰囲気で"只者ではないとわかる御方"に声をかけていた客引きもいたぐらいだから、本気モードの警察にあえなく確保された者も多いことだろう。

 大捕物の直後であり、一見、客引きの氾濫が沈静化したかのような中洲。今回難を逃れた客引きは、極力目立たないようにし、以前、案内をしたことのある顔見知りにしか声をかけないようにしているという。一方、条例違反の客引きからの恩恵に依存していた店は、今後、集客での自立が求められるようになった。フリーペーパーや届出を出している無料案内所のパネルなど広告宣伝費は、客を連れてきてなんぼの客引きより高い。約1,300軒もの飲み屋がひしめく中洲で生き残るために自らの営業努力が求められる。

 「そもそも客引きに頼ること自体、考えが甘い。最初はお客が少なくても、1人1人を満足させれば、口コミでお客が増えてくる。客引き自体が口コミみたいなものでしょ」と、前出のスナック経営者。老舗リンドバーグのママで、高級クラブ・ロイヤルボックスを経営する藤堂和子さんは、従業員に「たとえお金がなさそうでも、知恵があるお客さんを大事にしなさい」と、教えている。知恵がある人は、自分が気に入った店でまた飲もうと、おごってくれる人を探して連れてくる。まず、目の前のお客を大事にし、リピートを取っていくことがさらなる集客拡大につながるということだ。

 生き残っている中洲の経営者は、『お客への投資』も積極的に行なっている。ここぞという時の割引サービスは当たり前。季節ごとの挨拶、お中元・お歳暮など、会合や交流会にも参加し、人脈を広げていく。たとえ入口が安くても、お客が満足すればドリンク、ボトルで売上は上がるのだ。しかし、顧客満足度はお客の主観であり、同じ売上でも「ぼったくり」と思われることさえある。小生の経験上、繁盛している店の経営者ほど、費用対効果を図るそろばん勘定が、頭のなかで驚くほどきっちりとできているような気がする。店のナンバーワンになる娘も同様だ。

 条例違反の客引きは、今後どう増減していくかはわからないが、お店側が集客で自立すれば自然と減っていくだろう。比較的新しいお店には、この状況が当たり前と思って、奮起してほしいところである。

【長丘 萬月】

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長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。雑誌編集業を経て2009年フリーに転身。危険をいとわず、体を張った取材で蓄積したデータをもとに、「歓楽街の安全・安心な歩き方」をサポートしてきた男の遊びコンサルタント。これまで国内・海外問わず、年間400人以上、10年間で4,000人の歓楽街関係者を『取材』。現在は、ホーム・タウンである中洲(福岡市博多区)にほぼ毎日出没している。

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