<日本は技術力で貢献の余地あり>
――ラオスは、豊富な水資源を活かした水力発電による電力の輸出と、鉱山開発による銅、金など鉱物資源の輸出で外貨を稼いでいる。水力発電はまだまだポテンシャルがあり、資金を調達し、技術力のともなう開発が進めば、今後も伸びる可能性を感じさせる。
豊富な農地があり、日本の農業の技術力が貢献できる余地はまだまだありそうだが、日本の投資家に求めるものは?
ソムチット副大臣 質的に高価なものを望んでいる。本当に資金力のある投資家を求めています。電力の部門には、今後、関西電力などからの投資が進みそうです。ですが、まだ未開発の部分も多いです。水が豊富にあり、山があり、川があり、熱帯気候であるところも水力発電に有利な点。水力発電を強化するために、20年までに森林を増やす計画を立てています。初期のダム開発では、日本から多くの協力をいただき、発電に日立のモーターを使っています。
――首都ビエンチャンの様子を見ると、以前よりだいぶ都市化が進み、市街地を走る自動車も格段に増えている。国全体の経済状況はどうか。
ソムチット副大臣 現在は、鉱山、電力が国を支えています。現在の投資、国づくりのテーマは、"環境"と"会社の社会貢献"です。鉱山への投資も期待していますが、現在200カ所の鉱山で契約して、そこを開発していきます。環境のことを考えて、首相の命令で、2015年までは、もう1度、状況をチェックし直して、所有権取得の願書の受付は、いったんストップする予定。産業では、ラオスで製品化まで行なうことを計画している。生産、加工、製造して、製品化して輸出しないと、国民の生活は向上しない。メイド・イン・ラオスの製品を作っていきたいですね。ラオスの持っている歴史、文化、自然を生かした観光の促進もしています。日本人観光客に対してはビザの免除もしています。今後、サービス業への投資も強化する。東南アジアの真ん中に位置するので、物流の拠点として、本格化させていきたい。
――ここ2、3年で、ラオスの経済は、GDP成長率7~8%のスピードで成長している。ビエンチャンでは不動産開発が進み、メコン川沿いなどで大規模なショッピングモール、オフィス、住宅など不動産開発プロジェクトが進んでいる。都市の様子も劇的に変化し、15年前の上海浦東の雰囲気を感じさせる。
かつて中国、タイで起こったことが今、ラオスで起ころうとしている。今後、さらに経済成長は続き、5年先は、さらに発展していることが予想されるが、ラオスは、今後、どのような国づくりを目指すのか。
ソムチット副大臣 2020年を目標に、貧困国(LDC=後発開発途上国)から脱皮する。この50年、貧困国を脱皮したのは、ボツワナ、カーボベルデ、モルディブの3つの国だけ。なぜ、3つだけしかないかというと、貧困国のままでいれば、世界銀行、先進国などから支援が受けられる。しかし、我々、ラオス政府は決意しました。国民の生活がさらによくなるように努力する。これまで、ラオスは日本をはじめ多くの国から支援をいただいてきましたが、20年までに脱却し、将来は逆に、この国から、支援できるようになるぐらいに成長したいと思っています。
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