衆院選後、スピード感のある法改正が行なわれ、選挙期間中のインターネット活用が解禁となった。参院選以降、地方選挙でも適用される。法改正までに、どのような道のりを歩んだのか。克服すべき課題は、政党間の食い違いよりも、世代間の格差だった。若い世代よりもインターネットを使う時間が少なく、なじみの薄いベテラン世代の多くが、ネット選挙導入に慎重な姿勢を示していた。
自民党でネットメディア局の次長を務める福田峰之衆院議員ら、インターネットになじみの深い議員らが率先して、ネット選挙解禁へと動いた。水面下では、どのような動きがあったのか。ネット選挙解禁で政治はどう変わるのか。自民党で法改正に尽力した福田峰之衆院議員を取材した。
<3年前に一度、廃案に>
2010年、ネット選挙解禁を目指す公職選挙法改正案は、一度、国会に提出された。しかし、民主党政権下の政局の混乱で審議されずに廃案へと追い込まれた。ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディア利用が進む昨今、1950年に制定された公職選挙法は、もはやネット隆盛の現代にそぐわない。時代の流れに合った法律に変えていく時機は来ていた。
昨12月に行なわれた衆院総選挙で、それまで、しきりにフェイスブックやツイッターの更新をしていた立候補者らは、一斉に更新をやめ、沈黙。選挙期間中、立候補者らがインターネットを活用できない不便さが、浮き彫りになった。
63年前に作られた公職選挙法の時代にそぐわない面々が、国民の目にも明らかになった。日本維新の会の橋下徹共同代表(選挙時、副代表)がツイッターで更新を続け、街頭演説の際に「公職選挙法違反で逮捕されるかもしれません」と発言するなど、国民の間でも問題意識が高まった。
自民党比例代表で当選した福田峰之議員(横浜市青葉区・緑区)は、政治に関する動画配信を行なうなど、これまでも政治活動にインターネットを積極的に活用してきた。ネットの利点をよく知っている福田議員ら超党派の若手議員らが、選挙期間中もネットを活用できるよう法改正に動き出した。
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