<政党間には暗黙の合意>
選挙期間中もネット活用できるよう法改正しよう―若手議員間でのコンセンサスはできていた。しかし、インターネットになじみの薄いベテラン世代は、依然、慎重な姿勢を崩さないでいた。
福田峰之議員は「通常の機会は使えるのに、選挙期間中に入ると使えない。不都合が生じていた。衆議院選挙が終わった時点で、改正した方がいいのではないかというのが、各党の共通した思いだった」と、振り返る。3月13日、自民、公明、維新が、改正案を提出。改正を目指す法案には、民主党、みんなの党が提出した法案との2本があり、政党間で1本化するまでに至っていなかった。
<与党修正案に一本化>
「選挙期間中の電子メールの利用は、政党と候補者に限る」とした自民、公明、維新案と、「政党、候補者以外のメール利用も解禁する」という民主、みんなの改正案。第三者のメール利用を解禁するかどうかで、意見が食い違った。福田議員は、「すんなり行くかと思っていましたが、二転三転して、与野党でもまとまらなかった。それ以上に、世代間の格差があって、自民党のなかでも理解してもらうのにずいぶんと時間がかかった。そこが一番苦労しました」と振り返った。超党派で議論を重ね、世代間でも綿密に対話を重ね、法改正案成立へと合意形成を図っていった。4月3日、第三者のメール利用について、参院選後に段階的に変更することを検討するとした自民、公明、維新の修正案に、民主、みんなが乗ることで法案を一本化することに成功した。11日、衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会において全会一致で可決。12日に、衆院本会議を通過。19日、参院本会議でも、全会一致で可決され、法改正がなった。
※記事へのご意見はこちら