北九州市は16日、2009年から交流を重ねてきたベトナムのハイフォン市に対し、北九州市が特許を持つ上向式生物接触ろ過による浄水プラントを導入することを明らかにした。生物接触ろ過は、北九州市上下水道局と(株)神鋼環境ソリューションが共同開発したもので、微生物を利用してカビ臭物質やアンモニア性窒素などを除去する高度浄水処理。2000年から本城浄水場で稼働している。
導入対象となるのはビンバオ浄水場(処理能力5,000m3/日)。プラントの発注者はハイフォン市水道公社で、神鋼環境ソリューションの現地法人KOBELCO Eco-solutions Vietnamと30日に随意契約を結ぶ。金額は2,300万円。北九州市は技術アドバイザーとして、KOBELCOと契約を結び、整備事業を支援する。
両市は2009年4月、友好・協力関係に関する協定を締結。上下水道などに関する技術協力を重ねてきた。ハイフィン市では、都市化にともない水道水源の河川汚染が深刻化していたことから、北九州市は10年から3年間、JICA事業として、ハイフォン市に対し、日本の浄水技術に関する技術支援を実施。現地での実証実験も行なった結果、ハイフォン市は生物接触ろ過の導入を決めた経緯がある。
上下水道局と水道公社は、工事契約締結に合わせ、他のベトナム都市に対し生物接触ろ過を普及させる協力協定を結ぶ予定。
北橋健治市長は「事業費ベースでは小さい案件だが、北九州市の技術がベトナムに輸出可能な技術だということが証明されたことはビッグ・ニュース」、「(両市で)win-winのビジネス関係を築くことに大きな期待をしている」などと述べている。
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