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高島福岡市長 前任者の2倍近くの出張(2)~基本、ファーストクラス
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2013年5月21日 07:00

 高島宗一郎福岡市長「やはり借金が増えていくということは、やはり避けたい。年々着々この市債は減らしていきたいという思いがあり、そうしたところに一番心を砕いた。ただ、選択と集中のなかで、何をもって何に対して選択と集中をしていくのかという、その判断基準がやはり大事だと思う」(13年2月15日定例記者会見より)

<「選択と集中」の判断基準に疑問>
takasima2.jpg 前回、高島市長の出張件数が、前任者の吉田宏前市長の約2倍近くを数え、年の半分以上、福岡市に腰を据えていないという実態を報じた。お得意の「発信力」で精力的に活動していると考えられなくもないが、その内容には疑問を感じざるを得ないものがある。それは、国内を航空機で移動する際、ほぼファーストクラスを利用していることだ。

 高島市長が市長に就任してから13年3月25日までの出張記録において、国内で航空機を利用したのは全41件。うち30件がファーストクラス。それも11年10月を境に、ファーストクラスばかりという利用状況になっていた。ファーストクラスの利用については、出張を起案する担当部署が、日程なども含めてまず市長室におうかがいを立てるという。任期途中から「ファーストクラスが当たり前」になっているところを見ても、当然のことだが、座席の種類が固定されているわけではない。市長決裁である以上、座席の種類には市長の意思が反映されているのである。

 行財政改革が全国各地で叫ばれる昨今、選挙においては政治家がまず範を示し、議員定数や議員報酬の削減をすべきと主張する声も頻繁に耳にする。高島市長の政治姿勢はそういった主張と一線を画すもののようだ。ちなみに、国会議員は、公務で海外に出張する場合のみ、ファーストクラスの費用まで支出される。
 福岡市では、高島市長の国内のファーストクラス分まで市民の血税から払われている。就任から1年ぐらいは自ら範を示す意識があったかどうかは定かではないが、途中から切り替わった「ファーストクラスが当たり前」という実態は、市長としての資質が〝劣化した〟と言わざるを得ない。

 総務企画局人事部労務課によると、航空機の利用において、市長は、国内はファーストクラス、国外はビジネスクラスまでの費用が支出される規定になっているという。したがって、高島市長のファーストクラス利用は規定違反ではない。しかし、約1兆5,000億円の市負債を意識し、「選択と集中の判断基準が大事」と公言する高島市長として、この選択が適切であるようにはとても思えない。今年4月から14年12月までの残り任期において、給与と賞与の20%カットと退職手当の50%カットを打ち出した高島市長。だが、市民が知らないところでは、約1万7,000円のファーストクラス分支出(市長のための税金からの出費)が行なわれていたのである。

 次回は、ファーストクラスを使って行なわれた出張で、高島市長がどのような動きをしているかを紹介していく。

(つづく)
【山下 康太】

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