アベノミクス効果による円安、株高とデフレ不況脱出の気運が一気に高まっているようです。これも、今年初め、安倍政権が2012年度補正予算案に盛り込む緊急経済対策を閣議決定したことに負うところが大きいようです。この経済再生策では、東日本大震災の復興や防災事業、道路や農業施設の整備、トンネルや橋の老朽化対策といった公共事業が中心ですが、商店街の振興(ソフト事業、ハード事業)にもこれまでにない巨額の予算が投じられています。
前回に引き続き、このなかから私の専門とする商店街関係で、注目される事業を紹介します。
(3)地域自立型買い物弱者対策支援事業費(補助)
いわゆる「買い物弱者」に対し、民間事業者等が共同宅配や移動販売等を展開することにより、円滑な商品購入機会を確保する事業です。総額10億円の補助金、補助率3分の2です。すでに1次の募集は終了し、採択結果も公表されています。九州では、7件(会社、農協)が採択されています。1次募集だけでは予算枠に達しなかったため、2次募集が開始されています。
(4)中心市街地魅力発掘・創造支援事業費(補助金)
すでにこのシリーズで紹介しました「中心市街地活性化法」に基づいて国から認定を受けた市町村の中心市街地において、まちづくり会社等が実施する取り組みを支援するもので、具体的には「まちの魅力を高めるための事業化調査」「先導的・実証的な取り組み」「専門人材の派遣」に対して補助するものです。事業名通り中心市街地の魅力を発掘し、かつコンパクトシティづくりを促進しようとするものでもあります。総額15億円、上限1,000万円、補助率2分の1です。
この事業もすでに1次募集は終わっており、九州では3事業(させぼ四ヶ町商店街協同組合、飯塚商工会議所2件)が採択されています。これも2次募集が開始されています。
前回と合わせて4つの事業を紹介しましたが、詳しくは九州経済産業局のサイトに掲載されています。最後に、これらの補助金、助成金を受ける場合の留意点をお話ししておきます。
・商店街では組合員の合意を十分に得ておくこと(現状分析、これに対する対応、将来ビジョン、各種事業の意義、優先順位等のコンセンサス)。
・事業内容を十分に詰めておくこと(事業清算の際に、費目が適用外となり自己負担を強いられることもある)。
・補助金の場合、いわゆる「補助ウラ」が必要であるため自己資金の準備(借り入れも含む)を十分に。
・申請書類の作成に関して日ごろから行政や商工会議所、各種団体の担当者との連絡を密にしておき、迅速に書類作成ができるようにしておくこと。
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