(株)ラグジュアリー・春野ヒデミチ代表取締役CEOは、美容室に加え、エステサロンやネイルサロンなど、複数店を運営し、その他自社製品の美容商材販売やイベントプロデュースを行なっている。また、スクール事業として、ヘアメイクに特化した美容学校ジャパンヘアセットスクールも運営。
日本は少子化による人口減少で、美容市場は縮小。結婚や子育てを機に、美容業界から離れる女性美容師も多く、明るい材料は少ない。春野氏は、「続けられるなら、続けたい」との切実な声を受け、美容業界の改革に挑んでいる。美容業界と介護福祉を結びつけ、福祉美容を確立し、社会貢献を目指す若手経営者に聞いた。
――起業後、すぐに福祉美容に着手できたのでは?
春野ヒデミチ氏(以下、春野) そうかもしれません。しかし、安易に大規模病院へ交渉に向かっても、相手にしてくれない。知名度もない、規模も小さい美容室ではどうにもなりません。ですから、まずは信用を築くことを第一に考えました。ブランド力を磨こうということで、まずは店舗数を増やしていきました。
人が増えて、学校ができて、人材の輩出ができるようになって、ようやくここまでたどり着きました。いつでも介護現場に派遣できるような体制を作り、さらに美容学校のカリキュラムの中に、介護施設でのボランティア体験を組み込みたいと考えています。これで本当の意味でも社会貢献が可能になります。生徒は実践経験を積むことができる。そして、高齢者の方々にも喜ばれる。このような社会貢献要素がなければ、企業は長続きしません。
美容業界での社会貢献を目指して、ようやくその土壌が完成しました。いよいよこれから出て行こうという段階です。
――これからの美容業界を考えて、取り組まれているのですね。
春野 業界で働く多くは女性です。2年も3年も専門学校で学び、資格を取る。資格をとったからには、美容業界で働きたい。基本的に美容に携わる仕事は勤務時間も長いですし、大変です。結婚や子育てを考えると、退職するしかなくなる。パートタイムでは雇用しないというのが今の美容業界です。
しかし、福祉美容を導入し、短時間での派遣を行なうことで、この雇用問題が改善できます。実際、facebookでこの取り組みを紹介して、意見を求めたところ、やってみたいという問い合わせが非常に多かったんです。どうすることもできずに、仕事から離れていく状況をどうにか止めたかった。
――今後は介護分野でどのような展開を考えていますか。
春野 今期はまず50施設への導入を目指します。現在はボランティアという形で進行中ですが、そろそろ有料に切り替えたいと思っています。現在は看護士や介護士の方が、洗髪を行なっていますが、それほど頻繁にできるわけではありません。技術も要求されますし、その辺をカバーできればいいかと考えています。このノウハウを集約し、フランチャイズ化すれば、全国的な社会貢献が可能になります。美容と介護が結びつく。わたしはこれ以上の道はないと考えています。
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■(株)ラグジュアリー
代 表:春野ヒデミチ
所在地:福岡市中央区天神1-9-17-15F
設 立:2004年6月
資本金:900万円
TEL:092-717-3566
URL:http://luxury-ltd.com/
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