<マイホーム取得支援など定住対策推進>
――人口減少にどう歯止めをかけ、観光、農漁業振興にどう取り組んでいくのかお聞きします。
金子健次市長(以下、金子) 子育てや介護のしやすいまちづくりを進めるとともに、産業の活性化を推進していくことが必要だと思っています。農水産物の加工・販売まで視野に入れた事業を展開して、利益をあげられる仕組み作りを推進していきます。また、福岡市への通勤圏ですので、ベッドタウンとしてのまちづくりも進めていきます。西鉄柳川駅周辺整備として、東口と西口を結ぶ自由通路や駅前広場の改修などにより、玄関口としてふさわしいものにしていきます。
――すでに学童保育所の整備、学校の耐震化も順次進めていますね。定住対策も効果が上がってきているとお聞きしていますが。
金子 はい。定住対策としては、マイホーム取得の支援や新婚世帯への家賃支援などを引き続き実施して、「子育てするなら柳川で」と言われるような子育てのしやすい環境を整えていきます。人口減少対策として、基幹産業である農業、漁業、観光業、商工業の振興を図ると同時に、「柳川ブランド」を推進して、産業間の連携強化を図っています。
<「柳川ブランド」など特産品で地場振興>
――「柳川ブランド」に新たに4商品を認定しましたね。
金子 ええ。これは、柳川市の知名度向上と観光振興、地場産業の振興を目的に、柳川市内の事業者が生産・加工または開発した「食品」などを応募していただいて柳川ブランド推進協議会が審査して認定しているものです。原材料すべてが地元産と限定していませんが、基本的には地元の産品を使って、地産地消と地元産業振興を結び付けています。市内の中心商店街にアンテナショップ「おいでメッセ柳川」をつくって、柳川の特産品を販売しています。
――「柳川ブランド」に認定されていない地元産の特産品もたくさんありますね。
金子 柳川市は、大豆生産で農林水産大臣賞を受賞するなど、農家の方が頑張っておられるんです。日本一になる大豆を生かして、「まめマヨ」といって、マヨネーズ風味のドレッシングで、卵を使わず、柳川産大豆「フクユタカ」100%の豆乳を使用しています。卵アレルギーの方にもご利用していただいています。
<市民会館移転場所、市民・議会の意見をよく聞く>
――選挙の争点にもなった市民会館ですが、移転新築が支持を得られたと言えますか。
金子 今ある市民会館が築41年を過ぎていて、耐震性の問題もあるので、改修するよりも、他の場所に新しく立て直したほうがいいと選挙中も訴えました。建設場所は、市民や議会の意見をよくお聞きして、今から選定して決めたいと思っています。
――選挙でも争点の1つだった合併特例債をどう活用していくきますか。
金子 合併特例債は、合併した自治体への一番の優遇措置ですので、私は積極的に使ったほうがいいという考え方で、議会も同じ考えです。7割が地方交付税で戻ってくるので、本市の負担は残りの3割で済むとても有利なものです。借入限度額は274億円ですが、その半分の137億円を超える分は、あらかじめ市の負担分を基金に積み立てておき、将来の借金返済の心配がないようにしています。しかも、無茶苦茶に使うのではなく、必要な施設整備に使っていきます。建て替え時期にきているごみ焼却場、火葬場について、みやま市と共同で建設し、本市としては合併特例債を使えるような形で進めたいと思っています。
<ピアス跡地、早期に活用目指す>
――合併の課題だった施設整備には、すでにかなり着手しましたね。
金子 はい。旧大和町、旧三橋町に、旧柳川市と同じように校区ごとのコミュニティセンター整備を始めましたし、旧柳川市では、老朽化した公民館改修にも取り掛かっています。けっして、箱モノ行政ではなく、地元の住民たちで建設委員会を立ち上げ、地元の活性化のためにどのようなプランがいいのか地元で話し合って進めています。
――金子市長の丁寧な行政姿勢が感じられますね。
金子 建物というのは、箱モノではなく、住民の愛着心があって、使われなければ意味がありませんからね。
懸案だったピアス(エルソルプロダクツ株式会社九州工場)跡地のアスベストや土壌問題では、土壌調査を実施して、今後の土地活用に問題はないという最終結論が出まして、早期に跡地の活用を進めたいと考えています。合併して8年ですが、今度の選挙を通じて、まだまだ1市2町の垣根が根深く残っていると感じました。その垣根を取り払い、「柳川は1つ」という意識を持って、市民の皆様と議会と行政が「オール柳川」で取り組んでいくように頑張っていきます。
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