今夏の参院選に向けて、各立候補予定者の準備は進んでいるが、定数２の福岡選挙区では、議席をめぐる対決の構図が明確になってきた。
　26日、民主党公認で立候補を予定している野田国義 前衆議院議員（54）は、福岡市博多区で事務所開きを行なった。会場には150名ほどの党関係者や支持者が集まり、用意された席はすべて埋まり、立ち見も出た。

　あいさつに立った選対本部長の大久保勉 参議院議員や野田氏を推薦する連合福岡・高島喜信会長、そして野田氏からは、議席をめぐるライバルとして、日本維新の会やみんなの党などの他野党を意識した発言が続いた。
　「第３勢力が長く続いていく政党か、国民の間で不安が大きくなっている。自民党に対抗できるのは民主党しかない」という野田氏。昨今の株価の乱高下を安倍政権の経済政策「アベノミクス」の副作用（アベノリスク）とし、選挙へ向けて「不安をあおるだけでなく、対策を提示していく」という。史上最年少市長からスタートして４期16年務めた八女市長としての経験、そして約３年９カ月の衆議院議員としての経験を土台に、野党・民主党の存在感を有権者に示していく方針だ。

　一方、民主党陣営が明確にライバル視している「第３勢力」はどうか。日本維新の会との選挙協力を解消したことになっているみんなの党は、福岡選挙区に新たな候補者を立てることを決定。福岡県支部の支部長（佐藤正夫衆議院議員）以下、三役（幹事長、政調会長、総務会長）で、今月中にも新しい候補者を決めるという。
　北九州市で一定の地盤があるみんなの党の協力が得られなくなることは、日本維新の会の公認候補予定の元民放記者・吉田俊之氏（56）にとって大きな痛手だ。日本維新の会・橋下徹 共同代表の従軍慰安婦発言、および在日米軍への風俗業活用発言が物議を醸したことで、民主党陣営からは「潮目が変わった」との声も聞かれる。

　このほか、福岡選挙区では、自民党現職の松山政司氏（54）、共産党の真島省三 前福岡県議（50）、政治団体・幸福実現党の元小学校教諭・吉冨和枝氏（54）が立候補を予定している。

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