中国・温州市の河川に14歳の少女が飛び込み自殺をしたところ、勇敢な男性が飛び込み救助した。少女は無事だったが、その後、救助した男性が河川の汚染により、体調不良に陥るという珍事件が発生し、地元メディアに取り上げられ話題となっている。
事件が起きたのは5月17日。14歳の少女が川に身を投げた。近くには野次馬70人ほどがいたが、みんななすすべなく見ているだけだったが、そこに勇敢なひとりの男性が川に飛び込んで、無事に少女を救助した。川に飛び込んだ勇敢な男性は、職業が警備員の張さん(51)。3回ほど水のなかに潜ったが、あまりの水の汚さにほとんど見えず、ようやく少女を見つけ、岸に引き上げることに成功した。
ここまでであれば、よくある美談で終わりなのだが、一部始終を見ていた中国の地元メディアによると、あまりにも水が汚かったせいか、少女も男性も嘔吐が止まらなかったという。そして、張さんは岸に上がっても目も開けられず、皮膚もただれ、翌日病院に運び込まれた。原因は、汚水による細菌感染症だったという。
筋肉質で体が大きく健康的な張さんでさえも体調不良に陥ってしまう「河川の汚染」の話題は、あっという間にインターネットを経由して広がり、蒼南県の幹部が職員に対して「彼を見習うように」との通達を出し、県の幹部数人が彼の病院へ見舞いに訪れたという。
蒼南県内では、5月初めに、浙江省幹部が川の水をきれいにして「2年後にこの川で泳ぐ」という宣言をネット上で行ない、河川の清掃キャンペーンに注力し始めたばかり。そんななかで起きた今回の騒動は、とくにこの地域の人たちにとって、汚染された河川の行く末が重大な関心事なのだろう。地元メディアでも、中国の環境汚染についての記事が目立つようになってきているようだ。
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