ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

働く女性たちが考える橋下発言問題(中)
政治
2013年5月29日 15:33

 27日、橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は、日本外国特派員協会の報道昼食会において、いわゆる「風俗活用」発言について、米軍・米国民を侮辱する不適切な表現だったとして、撤回と謝罪を行なった。しかし、その他の慰安婦問題に関する発言については、真意と正反対の"誤報"がなされているとして、遺憾の意を表明するにとどまった。一連の橋下発言を受けて、NET-IBが主催した座談会「女性の視点から橋下氏の慰安婦発言を語る」(21日開催)の模様を紹介する。

<事実関係がよくわからない>
 ――1995年にはすべての中学教科書にあった従軍慰安婦関係の記述が、2004年度と2010年度の検定時にはゼロになったそうです。高校の教科書ではまだ記述が残っているそうですが、とくに若い世代にとっては、慰安婦問題を知る機会が減ってきているのも事実です。慰安婦問題自体について、お感じになっていることがあれば、教えてください。
 
zadankai1.jpg Bさん 慰安所があったかどうかなどについては、学校やテレビなどから情報を得ることがなかなかできないので、本やセミナーなどを通じて勉強しています。戦争という非常事態のなか、ストレスを発散するための場所がつくられて、そのことによって性犯罪などが少なくなるという事実もたしかにあるのではないかと思います。

 Cさん 私は、いわゆる「ゆとり世代」なので、教科書の内容も大幅に削られていて、慰安婦について教えてもらったかどうか、記憶はありません。本などで勉強するにしても、Bさんのような認識自体を持っていなければ、できません。

 Bさん まだまだ日本を悪者扱いする教科書がかなりまかり通っていると聞いています。

 Cさん そもそも歴史科目を選択しない人は学校教育のなかで知ることはできませんし、教科書も教師も自分たちで選べるものではなく、自分にとってはその教科書だけ、その教師だけというのが現実です。学校教育のなかで慰安婦問題の事実関係を学べるような状態にはなっていません。

<女性蔑視と言われた理由?>
 ――今回の橋下発言は、慰安婦が必要ととれる発言があまりにも強烈だったから叩かれましたが、以前から似たようなことは話していました。今回こんなに叩かれているというのは、話しぶりや言葉遣いなども影響したのではないかと思いますが、いかがですか。

 Bさん 橋下氏は、公的な立場での不適切な言い方を改めれば、それで問題はないと思います。イラク戦争に派遣された米国の若い兵士の自殺が多いことからもわかるように、戦場での兵士のストレスはかなりのものです。女性の1人として正当化したくはありませんが、性のはけ口が必要だという現実も無視できないと思います。1989年の湾岸戦争のときには、慰安所がないので、イラク兵が公衆の面前でクウェートの女性をレイプしていて、それを目にせざるを得なかった市民は、長期間精神的トラウマに苦しむことになりました。子どもたちや女性がそんな目に遇うのならば、きちんとした形で公的な場所をつくるというのも、ある意味仕方がないという考え方もあるでしょう。必ずしもそうすべきだとまでは言えないでしょうが・・・。

 Cさん 「精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要」という発言は、男性サイドの意見で、「男が大変だから女はそうして当然」という考え方が見え隠れし、だからこそ女性蔑視と捉えられたのかなとも思います。橋下氏だって、実際の戦争のときにどうなのか、経験したことはないはずですが・・・。

 Bさん 男性の本心が出たのかもしれませんね。

 Aさん 同じようなことを言ったにしても、実際に戦争に行った高齢の一般男性や、女性が言ったならば、単なる一個人の意見で、受け取る側の反応は全然違うでしょうね。

 Cさん 橋下氏の場合は、公人としての立場があるので、いくら一個人の意見と言ってもそれではおさまりませんが・・・。 

 ――大阪市議会は、議長(日本維新の会)、副議長(公明党)ともに女性で、橋下発言が飛び出した翌々日の15日に、誤解を招く発言を慎むように申し入れをしています。その申し入れをもう少し真剣に聞いておけば良かったかもしれませんね。

◆出席者紹介
 今回、NET-IB主催の座談会に出席したのは、Aさん(60代)、Bさん(40代)、Cさん(20代)の3人。過去に主婦経験を持つ人も含まれるが、今は、バリバリと働いている女性たちばかりだ。
 日ごろから、女性の活用、男女共同参画の推進に尽力している人や外国での生活経験がある人もいて、様々な観点からの発言があった。

(つづく)
【司会・文・構成:石坂 文】

≪ (前) | (後) ≫


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
政治
2013年6月11日 15:04
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル