国内で中小企業向けにITを活用した効率的な経費削減や効果的な売上向上などのコンサルテーションやプロモーションを提供している(株)フォーバル(本社:東京都渋谷区)。同社は2009年に海外進出コンサルティング事業を立ち上げ、現在ASEAN4カ国5拠点に事業所を開設し、中小企業の海外進出をサポート。支援実績が評価され、長崎県から「東南アジアビジネスサポートデスク」の運営業務を受託している。本社東京ヘッドオフィス海外ディヴィジョン代表、有賀正宏氏に聞いた。
――海外事業開始の経緯を教えてください。
有賀正宏氏(以下、有賀) 人口統計を見ればわかるとおり今後、日本の市場は確実にシュリンク(縮小)していきます。日本だけを見ていたら先はありません。外を見ると、近くに急成長するASEAN市場があります。今後、日本企業は世界をマーケットとして捉えていかねばなりません。しかし中小企業は経営リソース(ヒト・モノ・カネ・情報)の基盤が弱く、海外進出のハードルが高い。その点を手厚くサポートしたいと考え、海外進出コンサルティングをスタートしました。
――ASEAN諸国の中でも、メコン地域(メコン川流域のベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、ラオス)に拠点を設けていますね。
有賀 海外拠点はカンボジアのプノンペン、ベトナムのハノイとホーチミン、インドネシアのジャカルタ、ミャンマーのヤンゴン。4カ国に計5拠点に事業所を構え、中小企業の海外進出を国内と海外の両輪でサポートしています。
弊社が注目したのは東南アジア。とりわけメコン地域です。ASEAN人口は約6億人で、そのうち、メコン地域だけでも2億3,000万を数えます。マーケットだけを考えると、2009年設立当時、多くの経営者は中国、インド、ロシアなどに注目していました。しかし、弊社の顧客が中小企業であることを考えると、東南アジアがベストだと考えました。
理由は2つあります。まずは対日感情。ASEAN10カ国、いずれの国においても国民が親日的であることです。経営者は日本の会社を捨てて、完全に海外に出るのではありません。常に日本という看板を背負って、行き来するわけで、対日感情は非常に重要であると考えました。そして、もうひとつが宗教観です。フィリピンやインドネシア、マレーシアを除けば、多くが日本と同じ仏教国。言語、文化、法律も違う国の中で、できるだけ共通点が多いほうがよいと考えました。
ODAでASEAN各国の成長を支えてきたという事実が親日家を生み、JICA(独立行政法人国際協力機構)から専門家が派遣され、この地域の法律や制度といったルール作りにアドバイスをしてきたので、日本のルールに似ているところがあります。
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<COMPANY INFORMATION>
(株)フォーバル
代 表:大久保秀夫
設 立:1980年9月
所在地:(本社)東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル14F
(九州支社)福岡市博多区店屋町8-30博多フコク生命ビル10F
資本金:41億5,000万円
URL:http://www.forval.co.jp/
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