<赤ちゃんはきれいな水を欲しがっている>
約1万4,000人の出産を手がけた産科医が見出した水が、今、ひそかに注目されている。久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市中央区平尾)の久保田史郎院長が開発を手掛けた「天使の希水(てんしのきすい)」だ。より多くの人に広めるために、(株)風(佐賀市富士町)を興し、生産・販売を行なっている。
「よく、なぜ産科医が水の生産に携わるのかと質問されるのですよ。しかし、赤ちゃんとそのお母さんにとって、安全な水を飲むことがどれだけ大切なことかわかってもらえたら、開発と生産に挑んだ私の気持ちも理解してもらえると思います」と、久保田院長は語る。
人間の身体の大部分は水でできている、とはよく言われることだ。とくに、赤ちゃんは80%が水だという。生まれたばかりの赤ちゃんに、きれいな水を飲ませることが大切なことは、この例だけでもわかるだろう。水分を与えない時期が続くと、脱水症状を起こしてしまうことは、想像に難くない。
<安心して飲める「天使の希水」>
「天使の希水」は、佐賀県と福岡県の県境に位置する九州背振山系、雷山の麓、佐賀市富士町の森林に囲まれた深井戸から汲み上げた、日本では希な"非加熱天然水"だ。原水の特長について、久保田院長は次のように語る。「『天使の希水』には、(1)クリーン(無菌)、(2)弱アルカリ性(pH8.2)、(3)軟水(硬度25)、(4)非加熱、の4つの特長があります。抗酸化作用をもつ弱アルカリ性の炭酸水素イオンが豊富な天然水です。
原水が無菌のため、一般細菌、大腸菌などを加熱殺菌する必要性がなく、加熱処理では殺菌できない硝酸態窒素など、身体に有害な物質を逆浸透膜ろ過で除菌する必要もありません。
よく『加熱処理しない水が安全なのか』と問われますが、安全性については、殺菌、除菌を要さない国の基準(一般細菌5/ml以下、嫌気性菌・緑膿菌・腸球菌がすべて陰性であること)をパスしています。万全を期して予防的に、フィルターろ過と紫外線殺菌も行なっています。
原水は、身体に有害な硝酸態窒素が0.4mg/Lと極めて少ないので、赤ちゃんにも安心して飲ませることができ、アトピーなどの皮膚炎症を起こした皮膚につけてみたら患部が落ち着いた、と評判です」(久保田院長)
<脊振山系は天然水の宝庫>
なぜ、そのようなきれいな水が生まれたのか。それは水源が自然林によって守られ、人工的なものによって汚されることがなかったからだという。
佐賀市富士町下無津呂は、久保田院長の故郷だ。院長が愛情を込めて"世界一小さな工場"と呼ぶ採水工場は自身の実家の敷地に建てられたもの。脊振山系の山々に囲まれ、自然豊かな土地に立地している。「水源は、この工場より上から湧き出ています。水源は、人家もない自然林に覆われています。工場排水はもちろん、生活排水、化学肥料にも汚染されない水が湧き出ており、雑菌が混ざる余地はありません。だからこそ、殺菌する必要もないのです」と、久保田院長は語る。
飲んでみると、普段口にしている水とは明らかに味が違う。それを告げると、久保田院長は、「それは普段、本当の水を飲んでいないという証拠ですよ。『天使の希水』の味こそ、本来のものなのです」と笑った。
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