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2013参院選

アベノミクスの神通力~真価を問われる参院選挙後(前)
2013参院選
2013年6月 4日 07:00

 昨年11月14日、野田佳彦首相が自民党の安倍晋三総裁との党首討論で、「16日に衆院を解散する」と明言し、「12月4日公示・16日投開票」が決まった。野田首相の突然の衆院解散表明を好感して、低迷を続けていた株価は活況を取り戻すことになった。しかし、5月23日に株価が急落して以降、初めてアベノミクスの真価を問われる局面となっている。

<日経平均株価の動向>
 2009年の大納会は、鳩山民主党政権誕生(9月16日)への期待感から10,546円44銭と1万円台を回復したが、沖縄の基地移転問題などをめぐる民主党政権内の混乱から、株価上昇の兆しは見られないまま推移し、鳩山内閣は9カ月弱の短命に終わった。

kabu.jpg 10年6月に菅内閣が発足したが、景気回復の兆しは見えず、大納会は10,228円92銭と何とか1万円台に踏みとどまっていたが、翌11年3月11日に発生した東日本大震災の影響や政権与党内の対立抗争が激化。同年9月に野田政権が誕生したが、経済政策への失望感から再び大納会の株価は1万円台を大きく割り込み、8,455円35銭となっていた。

 12年に入っても野田政権はTPPをめぐる党内対立が激化し、有効な経済政策を打ち出すことができずに株価は低迷。株価が動意したきっかけは、11月14日の党首会談であった。
 正式に解散を表明した16日は、前日比194円44銭高の9,024円16銭となり、政権交代の思惑から日経平均は9,000円台を回復。
 12月26日に第2次安倍内閣が発足すると、景気回復の期待が膨らみ、株価は前日比150円24銭高の10,230円36銭、12月の大納会では前日比72円20銭高の10,395円18銭となり、1年ぶりに1万円台を回復。

 今年1月31日には11,138円70銭と、野田首相が党首会談で衆院解散を示唆した11月14日の8,664円73銭より2,473円97銭高(上昇率28.55%)をつけた。
 2月28日は11,559円36銭(同33.41%)、期末の3月29日は12,387円91銭と1万2,000円台に突入。4月30日は13,860円86銭と上げ足を早め、5月の連休明け後は一気に加速。

 5月15日は15,096円03銭と1万5,000円台に突入。5月22日は前日比246円24銭高の15,627円26銭となり、08年のリーマン・ショック前の水準に戻るまでに回復し、安倍首相が掲げるアベノミクスに対する期待は最高潮に達していた。翌日の23日も円安の流れを受けて午前中の高値は15,942円60銭となり、約5年5カ月ぶりに1万5,900円台の値をつけ、1万6,000円にあと一歩に迫るまで株価は上昇。
 だが、昼前に発表された中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が伝わったのをきっかけに、市場は雰囲気が一変。アジア市場が軒並み下落したのを受けて、東京市場でも売り注文が殺到し、売りが売りを呼ぶ全面安の展開となり歯止めがかからない状態となった。

 株が急落した要因の1つには、投資家の不安心理が挙げられている。別表の通り、5月22日の株価は11月14日より80.35%も上昇。4月の黒田日銀総裁の金融緩和発表後の1カ月半だけで2割強上昇していた。日本株の売買の中心である外国人は半年で10兆円弱買い越し、そのうち4兆円強は4~5月に流入しており、相場の過熱感が出ていたところに、中国の景況感悪化が株価下落につながったと見られている。

 結局、23日の終値は前日比1,143円28銭安の14,483円98銭となり、日経平均の下げ幅は、08年9月のリーマン・ショック後や11年3月の東日本大震災直後の下げ幅を超え、ITバブルが崩壊した2000年4月17日の1,426円04銭安以来約13年ぶりの大幅な下げに見舞われることになった。この下げ幅は過去11番目の大きさで、下落率も過去10番目の大きさとなり、順調な滑り出しを見せていた「アベノミクス相場」は、初めて真価を問われる事態に直面することになった。

(つづく)
【北山 譲】

| (後) ≫

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