2012年10月に開催された「B-1グランプリ in 北九州実行委員会」では、サンプル数1,600の来場者アンケート調査が行なわれました。その結果を北九州市立大学都市政策研究所の南博准教授の報告書から紹介します。
まず、来場者の性別です。男性36%、女性60%(残りは不明)と一般のショッピングセンターや中心市街地の来場者調査に比べて、若干男性の比率が高いかなと思わせる結果です。当然ですよね。こういうイベントでは家族連れ、カップル等で参加することが多いわけですから。年代構成は20%前後で各年代にわたっています。これもイベントの性格上当然でしょう。次に来場者の居住地を見てみます。北九州市内61%、福岡県内23%(うち福岡市および都市圏からが12%)、県外16%です。通常、福岡市の中心商店街である天神あたりで来街者調査を行なうと北九州都市圏からの来街は5%強くらいですから、これに比べると福岡都市圏からの来場者の比率がやや高いと言えます。イベントの希少性故でしょう。
宿泊の有無を見ると、日帰りが85%、北九州市内で宿泊が7%、市外で宿泊が2%(残りは不明)となっており、近隣の方が日帰りで参加している状況がわかります。もちろん、福岡都市圏の方も日帰りが多いわけです。
B-1ついでの観光や買い物をした割合は、全体で32%。北九州市内居住者は26%と低いのは当然ですが、県内居住者の割合が41%と高いことに注目されます。県外の方の割合は、39%とほぼ拮抗しています。北九州市の観光という面から言うと、今後、県内の方々を北九州に呼び込む努力が必要と言えます。実際、私の過去の各種調査でも北九州都市圏VS福岡都市圏で見ると、福岡側のいわば入超状態がいたるところで見えます。福岡には行くけど北九州には行かない、という状況です。その解消方法がこんなところからも示唆が得られます。
北九州市小倉中心部での買い物場所を見ると、北九州市内で観光・買い物した人のうち「アミュプラザ・コレット」という大型商業施設での利用が11%でトップです。これに「魚町・旦過市場商店街」が8%で続きます。地元商店街も結構健闘しています。望むらくはこの値がもっと高いことがこのようなイベント効果を表す数値として意味を持つものなのではありますが...。まあ、今後の課題でしょうか。
次に、この手のイベントで最も主要な指標であるイベント時の消費額についてみておきます。
まず、北九州市内(B-1会場外)での飲食費は、市内宿泊客で2,920円、市外宿泊客で2,440円、日帰り客で674円でした。また。同じくおみやげ・グッズ購入費は、市内宿泊客で524円、市外宿泊客で1,240円、日帰り客で186円でした。
これらを元にした南准教授によるイベントの経済波及効果については、次回にお話しします。
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