「どうしたら店がもうかるようになりますか?」と、聞かれることがたまにある。今までにも度々ふれてきたが、いざ実践となるとなかなか上手くいかないようだ。小生が言っても、所詮は外野のアドバイス。ならばと、成功者に聞いてみることにした。
とはいえ、これまで数々の成功者と言われる経営者と会ってきたが、中洲の主役であるホステスにご登場いただくのはなかなか難しい。現役は今の営業があるため、本音を語りにくく、卒業生はつかまえるのが難しいからだ。
すると、飲み仲間が「元No1キャバ嬢で、今は会社を経営している」という女性を紹介してくれた。今回登場する、株式会社Mizukiの代表取締役、森真由美さんだ。彼女は「水城 舞」の源氏名で、某キャバクラのNo1嬢となり、現在は、美容品を売る会社を経営する一方、雑誌のモデルというカリスマ美女である。
最初は生まれ故郷の小倉で夜の世界に入り、すぐに中洲デビューした真由美さん。9年間働き、店のNo1となった。その接客のコツは、簡単に言うと「笑ってほめる」こと。「自分が楽しくほめれば、No1になるのは簡単」という。また、「安上がりな女のコ」だったから、指名本数が多かったと自己分析。この点、他の中洲の成功者と共通する。吾輩が師とあおぐ、「西中洲の帝王」と呼ばれた御仁も、店の娘には「お客さんをとにかくほめること」を教え、「入口は安くすること」を徹底したという。
お客が気分良くなれば、売上は後からついてくる。簡単なことのように聞こえるが、現実に店を経営すると、なかなか実践が難しい。日銭稼ぎにとらわれ、店の娘を大事にするあまり、お客のニーズに応えられず、リピートがとれなくなってしまう。
真由美さんが働いている間、中洲の女の娘に変化があった。テレビのドラマなどで夜のお仕事がもてはやされた結果、「憧れの職業」としてホステスになる娘が増えた。そうした娘の多くは、ホステスになれたことがゴールであり、稼ぎに執着がなく、営業に熱が入らないタイプが多かったという。「将来は女性社長になる」という夢を実現するため、売上を追求した真由美さんとは"ゴール"が違ったのだ。
「座ってお客さんと話してお金がもらえるなんて楽しい仕事ですよ」と、語る真由美さん。「お客も楽しませるために自分が楽しむこと」が彼女の成功の秘訣であった。真由美さんは現在、現役キャバ嬢から、夢を実現するための相談を受けることも多い。アドバイスは、「行動しかない。なんでも行動に移すこと。そして、強く願うこと」という。
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▼関連リンク
・森真由美さんのブログ「サラブレッドプラセンタで美人道♪」
長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。雑誌編集業を経て2009年フリーに転身。危険をいとわず、体を張った取材で蓄積したデータをもとに、「歓楽街の安全・安心な歩き方」をサポートしてきた男の遊びコンサルタント。これまで国内・海外問わず、年間400人以上、10年間で4,000人の歓楽街関係者を『取材』。現在は、ホーム・タウンである中洲(福岡市博多区)にほぼ毎日出没している。
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