<乱高下する日経平均株価の行方>
第2次安倍内閣が発足した昨年12月26日、日経平均株価(終値)は、10,230.36円であったが、1月31日は11,138円70銭、2月28日は11,559円36銭、期末の3月29日は12,387円91銭、4月30日は13,860円86銭と、今年に入ってからうなぎ上りに上昇。
5月の連休明け後は一気に加速し、5月22日は前日比246円24銭高の15,627円26銭となり、2008年のリーマンショック前の水準に戻るまでに回復し、安倍首相が掲げるアベノミクスに対する期待は最高潮に達していた。
翌日の23日午前中は円安の流れを受けて15,942円60銭の値をつけ、約5年5カ月ぶりに1万5,900円台を回復し、1万6,000円にあと一歩に迫るまで株価は上昇した。
しかし昼前に発表された中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が伝わると、市場は雰囲気が一変。アジア市場が軒並み下落したのを受けて、東京市場でも売り注文が殺到し、売りが売りを呼ぶ全面安の展開となり、歯止めがかからない状態となった。
結局23日の終値は前日比1,143円28銭安の14,483円98銭となり、今年最大の下げ幅を記録した。この日経平均の下げ幅は、ITバブルが崩壊した2000年4月17日の1,426円04銭安以来、約13年ぶりの大幅な下げに見舞われることになった。この下げ幅は過去11番目の大きさで下落率も過去10番目の大きさとなり、順調な滑り出しを見せていた安倍政権にとって、初めて真価を問われる事態に直面することになった。
順風満帆であった「アベノミクス相場」は、5月23日以降は乱高下を繰り返し、別表の通り27日には14,142.65円(前日比▲737.43円)と今年2番目の下げ幅となった。
5月22日(水)につけた今年の最高値15,627.26円をピークに、6月6日(木)には12,904.02円となり、わずか半月の間に▲2,723.24円と大幅な下落となった。
黒田日銀総裁が金融緩和策を発表した翌日の4月5日、12,833.64円近辺まで下落し、株価はほぼ2カ月前の水準に逆戻りしたことになる。
アベノミクスによって大手企業は円安・株高の恩恵にあずかり、13年3月期の決算は好業績の企業が続出したが、5月23日を境に円高・株安へと流れが変わり始めている。
アベノミクスの成長戦略に潜む「アベノリスク」が顕在化したのかもしれない。
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