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最適を考えジャパンブランドを創る バルコス代表 山本敬氏(4)
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2013年6月 7日 07:00

 鳥取発の純日本製高級鞄の挑戦―。伊勢丹新宿店の"顔"とも言える1階の高級バッグ売場で、海外ラグジュアリーバッグのなかに、「BARCOS J LINE」が肩を並べている。鳥取に本社を構える(株)バルコスは、このラインで"ジャパンブランド"の確立を目指している。この取り組みについて、同社代表取締役の山本敬氏に話を聞いた。

<日本製に付加価値を付ける>
 ――ジャパンブランドは、なぜないのでしょうか。

 山本敬氏(以下、山本) 日本は、安い労働力を求め、中国に生産拠点を移してきました。そのため、日本で何かつくろうとしても生産拠点が衰退しています。それは、今まで中国生産を行なってきたツケでしょう。今、私たちが真剣にやらないと、完全になくなってしまいます。メイドインジャパンを残す、今が本当にギリギリのラインではないかと思っています。ちゃんと自国の技術を残してブランドを育てていたヨーロッパの人たちは、偉いと思います。

 適切なものを、適切なマーケットに、適切な販促をかけて、適切な人がやれば、必ず売れていくものだと思います。売れないということは、何かが適切ではなく、ズレているのでしょう。今まで日本のブランドがなかったのは、付加価値を持ったブランドをつくろうと考える人がいなかったのではないかと考えています。

 ――なぜ、ブランドをつくろうとする人がいなかったのでしょうか。

barcosjline.jpg 山本 日本は恥の文化で、「つまらないものですが」という考え方があります。それが逆でないと、ブランドはできないと思います。つまり、「たいそうなものですよ」ということを打ち出していくことです。日本人には、心のどこかで遠慮して、強く打ち出せない部分があるのではないかでしょうか。
 しかし、それが日本文化ですから、「つまらないものですが」が悪いとは思っていません。日本の物がすべて「つまらないもの」で安価なのかというと、そうでもないのです。銀座のお寿司屋さんで、1回の食事で4万円も取るようなところもあり、ジャパンラグジュアリーの典型で良い商売をしてらっしゃるなと思います。また、京都の高級旅館もそうです。外国の友人から、「旅館はファンタスティックだ。今度日本に行ったらぜひ泊まりたい」と言われました。
 ハンドバッグというのは、冷静に考えてみると歴史が浅く、私の祖母の代はバッグではなく風呂敷でした。ですから、これからのような気がしています。
 私たちもちょうどジャパンラグジュアリーをやりたいと思っていて、伊勢丹さんがきっかけをくださいまして、BARCOS J LINE(以下、Jライン)が立ち上がりました。

(つづく)
【聞き手・文・構成:柚木 聡美】

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<COMPANY INFORMATION>
所在地:鳥取県倉吉市中江 48-1
設 立:1991年5月
資本金:9,300万円
売上高:(11/12)13億3,000万円


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