耐震強度不足が判明した福岡県久留米市のマンション問題で、市議会が動き出すかどうか注目されている。鹿島建設という"超一流ブランド"を信頼して購入したマンションの耐震強度が約20%しかないことがわかり、マンション住民らが福岡県久留米市に耐震強度の検証を求めている。マンション管理組合は理事長名で救済を求めて、久留米市議会の全議員に手紙を出したことがわかった。
手紙は6月3日付。「地震による倒壊の可能性が極めて高いということで、近隣からも苦情が出て、近隣住民との関係も悪化しています。耐震強度が不足していることについて、私たち住民には何一つ非は無い」、「一刻も早く、私たちを助けていただきますよう、お願い申し上げます」と訴えている。
「建築時の設計事務所による構造計算の偽装、および施工業者による施工不良(コンクリート強度が基準以下)のダブルパンチにより、大きな不安に陥っています」と指摘。「久留米市建築指導課に、構造検証の精査を依頼しましたが、建築指導課長はじめ、一向に精査を勧めていただけず、マンション住民は、毎日、地震=倒壊という恐怖におびえ続けています。久留米市長・副市長にも面会を申し入れましたが、取り合っていただけませんでした」と経過を説明し、建築指導課が真剣に対応せず、市長も取り合ってくれないと苦境をつづっている。
理事長の手紙は、「市会議員の皆様に助けていただくしか、方法が見当たりません」として、「私たちには、何の非も無いはずです。マンションの資産価値がゼロになり、毎日恐怖と隣り合わせで生活を送らざるを得ない状況であり、さらに、久留米市から耐震強度不足による退去命令が出された場合、他の住まいに引越をせざるを得ず、二重ローンを抱える可能性もあります」と訴えている。
また、久留米市の建築行政について、「安全性の判断を久留米市に委ねていますが、久留米市は、建築確認行政庁として、解決しなければいけない義務があります」と指摘し、「久留米市建築指導課に審査能力が欠如しているのであれば、一般の建築確認審査において問題は生じていないのでしょうか?」と問題を投げかけている。
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