鳥取発の純日本製高級鞄の挑戦―。伊勢丹新宿店の"顔"とも言える1階の高級バッグ売場で、海外ラグジュアリーバッグのなかに、「BARCOS J LINE」が肩を並べている。鳥取に本社を構える(株)バルコスは、このラインで"ジャパンブランド"の確立を目指している。この取り組みについて、同社代表取締役の山本敬氏に話を聞いた。
<トレンド、市場、生産者をつなぐコーディネーター業>
――Jラインについて教えてください。
山本敬氏(以下、山本) 伊勢丹さんはアジアを代表する百貨店ですが、1階の高級ブランドバッグが並ぶ場所に日本のものがないとおかしい、と社長の肝煎りで日本ブランドをつくるぞということで、いくつかの会社に声がかかり、最終的に弊社のものが採用されたというかたちになりました。
大谷リュウジさんという若手のアーティストの方と、日本のバッグ職人の技術でできた究極の日本製のバッグです。
――なぜ、御社だったのでしょうか。
山本 バッグをつくろうと思えば、伊勢丹さんが職人さんに直接頼めばできます。うちはそこの間に入るコーディネーター業です。弊社はテレビや他のブランドさんからの依頼を受け、マーケットを調べながら、正しいマーケットに適切なものを企画し売ってきたという経験があります。
世界のファッションの流れは1つのトレンドになっています。そこで、どのブランドもトレンドを研究してきます。
バッグに関してもファッションの一部ですから、流行は同じです。でも、ハンドバッグでそこまで流行を考えているメーカーはまだ少ないですから、流行とズレたものをつくってきてしまうケースがあります。
加えて、職人さんはバッグをつくるだけですから、トレンドに詳しくありません。適切なものは何か、というのを考えるのが、弊社の役割です。バッグ職人さんが、ただ好きなバッグをつくるだけでは、売れるバッグにはなりません。
ですから、バッグづくりというより、情報とその落とし込み方を評価していただいていると思っています。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:鳥取県倉吉市中江 48-1
設 立:1991年5月
資本金:9,300万円
売上高:(11/12)13億3,000万円
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