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最適を考えジャパンブランドを創る バルコス代表 山本敬氏(6)
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2013年6月 9日 07:00

 鳥取発の純日本製高級鞄の挑戦―。伊勢丹新宿店の"顔"とも言える1階の高級バッグ売場で、海外ラグジュアリーバッグのなかに、「BARCOS J LINE」が肩を並べている。鳥取に本社を構える(株)バルコスは、このラインで"ジャパンブランド"の確立を目指している。この取り組みについて、同社代表取締役の山本敬氏に話を聞いた。

 ――トレンドをつかむということは大事ですが、バッグ会社ではあまり今まで重要視されてこなかったのですね。

bag3.jpg 山本敬氏(以下、山本) 弊社はNYのショールームセブンという、アメリカのトップショールームに出しています。簡単に言えば問屋さんみたいなもので、伊勢丹のバイヤーも必ず来られますし、日本の他の百貨店やアパレルメーカーもチェックしています。毎年2月の末は、世界中のバイヤーがNYに集まり、そこで仕入をしています。その翌週、バイヤーたちは、パリとミラノで仕入れをします。うちはミラノの展示会にも出しています。
 世界のファッションの重要拠点は、NY、イタリア、フランスです。弊社は次の7月からフランスの展示会も出ますので、NY、パリ、ミラノが全部つながってきます。
 このような場所でバイヤーさんたちにさまざまなご意見をいただき、フィードバッグをもらい、自社でつくったバッグがトレンドとズレていないかを探っていきます。

 ――そのような場で、ニーズとズレていないかを確認されるのですね。

 山本 それは、Jラインも同じです。しかし、Jラインは日本のハイエンドのお客さま向けという意識がありますから、その層に受け入れられるためにはどうすべきかということを、一生懸命落とし込んでいます。
 多分、Jラインは外国人には好まれないと思います。それは、日本人好みにつくっているからです。しかし、伊勢丹で有名になって、このバッグが日本文化の一端なんだという域に達したら、外国でも売れると思います。
 たとえば、旅館とホテルを比べると欧米人はどう考えてもホテルの方が好きです。ただ、旅館が日本独特の文化だという域にまで達してしまえば、それが受け入れられるということです。ただ、毎日旅館に泊まりたいわけではありません。日本人だって、毎食、毎食ピザは食べたくはないと思いますから、嗜好品のような感覚でしょうか。

 ――外国人に好まれるブランドは、どのようにつくられていくのでしょうか。

 山本 インターナショナルマーケットで受け入れられるものは、日本で受け入れられるものと違います。「これが日本だ!」という感覚で持って行くと、たしかに良いのかもしれませんが、それでは、余計なお世話ということになりかねません。逆に考えれば、他の国の民族衣装が置いてあっても、良いものかもしれませんが、買って着るかという話になれば別問題です。
 まず、どういったものがインターナショナルマーケットに受け入れられるかということを考えないといけません。今回ハナアフで、モーターショーのイメージと言いますか、光る素材を使って近未来的につくりました。また、機能的にもバタバタと折りたためるようにし、これが「折り紙のようだ」ということで評価を受けました。折り紙と近未来的な感じの融合ですね。
 日本らしいものを、メイドインジャパンでという気持ちはわかりますが、「伝統×伝統」というかたちで見せてしまうと、難しいです。外国人好みにするには、伝統要素と新しさの組み合わせで、ブランドを確立させていきたいと考えています。

bag.jpgbag2.jpg
(了)
【聞き手・文・構成:柚木 聡美】

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<COMPANY INFORMATION>
所在地:鳥取県倉吉市中江 48-1
設 立:1991年5月
資本金:9,300万円
売上高:(11/12)13億3,000万円


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