健康増進法に基づいた厚生労働省の「健康日本21」の第2次計画で、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防が課題の1つとして取り上げられ、認知度を8割以上にする目標が設定された。今年から、各自治体で、認知度向上キャンペーンが行なわれる。このような行政の取り組みに対し、業界はどのように関わっていくべきなのか、栄養面からの予防の重要性をどう伝えていけばいいのか、ロコモ市場に精通した学識経験者、食品会社、原料会社の方々に聞いた。
【出席者】
東京海洋大学特任教授 農学博士 矢澤 一良 氏
日本水産(株) 生活機能科学研究所 所長 農学博士 辻 智子 氏
味の素(株) 健康ケア開発企画部 専任部長 獣医師 小林 久峰 氏
甲陽ケミカル(株) 専務取締役 武中 大輔 氏
<ロコモ予防に栄養情報が不足>
――関節痛の患者が病院に行くと、ヒアルロン酸の直接注射や痛み止めの薬を処方されるなど、対処療法しかないのが現状です。そこで「栄養」が果たす役割も重要と思えます。この点に関してはいかがですか。
小林 久峰氏(以下、小林) ロコモそのものの認知度向上もまだ不足していますし、そのなかで「栄養」の果たせる役割に関しても、もっと知っていただく必要性を感じています...(⇒つづきを読む)
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