中小企業が試作品を作成する場合に、国が最大1,000万円を補助する制度(ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金制度)の第2次募集が、7月10日まで行なわれている。予算総額1,007億円だが、これまでの採択件数は4,904件。すべてが上限の1,000万円だったとしても、まだ予算の半分以上が残っている計算だ。福岡県では、6月17日に公募説明会が、福岡県中小企業振興センターで開かれる。
この補助金の対象となるのは、ものづくりを行なっている中小企業・小規模事業者。
組込みソフトウエア、金型、繊維加工、溶接、塗装、めっき、発酵など22分野の技術を活用した事業で、競争力強化につながるようなものだと、福岡県内に1,059ある認定支援機関(会計事務所、銀行の支店など)から認定されれば、申請可能だ。
補助金の対象となる経費は、原材料、機械装置費、外注加工費、技術導入費、知的財産権関連経費、試作品の開発にかかる経費(人件費を含む)などで、認定支援機関への支払いは、補助金の対象にはならない。
採択された場合には、経費の3分の2、最大1,000万円まで補助を受けることができる。
すなわち、事業にかかる経費が1,500万円の場合、採択されれば最大1,000万円の補助金を受けられる可能性がある。一般的に補助金の残額が少ない場合には、今回のように補助率3分の2であっても、3分の2より減額される場合があるが、事務を担当する福岡県中小企業団体中央会によると、第1次募集では減額されたケースはないという。
そもそもこの補助金は、民主党政権下の事業仕分けによって、予算計上が見送られた「ものづくり補助金」を復活し、対象を拡充したものである。自公政権が、「民主党とは違う」という思いの下、中小企業が使いやすいようにと気を配って、1万社のものづくり中小企業、小規模事業者の試作開発、設備投資などを支援しようとするものである。
前述の福岡県中小企業団体中央会によれば、ほかの補助金に比べると、提出しなければならない書類も少なく、申請しやすい補助金となっているという。使い勝手も考えられており、年度末までに事業を完了しなければならないというようなこともない。事業開始から終了まで1年間の期間はちゃんととってあり、今回募集分の事業終了は、来年10月くらいになるとのこと(4月15日に締め切られた第1次募集第2次締切の場合は、来年7月に事業終了予定)。
しかも、これまでの第1次募集(第1次締切および第2次締切)の採択結果を調べてみると、全国での採択率は、第1次募集の第1次締切(3月25日締切)では40.4%(申請数1,836、採択742)、同第2次締切では40.8%(申請数10.209、採択4,162)と、比較的高い割合となっている。採択という面でも比較的敷居の低い補助金と言えそうだ。なお、現時点では3次募集は予定されていないとのこと。
■公募説明会
<日 時>
6月17日(月) 午後2時~午後4時
<会 場>
福岡市博多区吉塚本町9番15号
福岡県中小企業振興センター 2F大ホール
TEL:092-781-8888
※資料の準備の関係があり、原則として事前申し込みが必要
参加申込書に記入の上、FAX(092-626-7101)で
<申請書受付およびお問い合せ>
福岡県中小企業団体中央会 ものづくり支援センター
住所:〒812-0046 福岡市博多区吉塚本町9番15号 福岡県中小企業振興センター10階102号
TEL:092-626-7066
URL:http://www.chuokai-fukuoka.or.jp/filedb/201305/monozukuri_2012.html
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