全国地方銀行協会(地銀協)は、12日の理事会で、平成25年度の役員人事を決めた。新会長は、前副会長であった谷正明福岡銀行頭取が就任。副会長には、高﨑秀夫京都銀行頭取(再任)、久保田勇夫西日本シティ銀行頭取(新任)、氏家照彦七十七銀行頭取(新任)、寺門一義常陽銀行頭取(新任)、西原政雄全国地方銀行協会専務理事(新任)が就任した。
九州の地方銀行から初めて18代目の会長(任期1年)に就任した福岡銀行の谷頭取は、記者会見で「金融を通じて地域経済を支え、発展に寄与することを使命としてきた。地域経済の活性化を目指し、さまざまな課題に意欲的に取り組んでまいりたい」と述べた。
谷頭取の会長就任が脚光を浴びているが、ここで特筆すべきは、久保田勇夫西日本シティ銀行頭取が新任の副会長に就任し、九州から正副会長が選出されたことである。
地銀協の副会長となった久保田氏は福岡市出身で修猷館卒。東大法学部を卒業した1966年(昭和41年)、大蔵省に入省。「花の41期生」と言われ、同期には中島義雄氏、長野厖士氏や日銀総裁候補に上がった武藤敏郎氏などがいる。
久保田氏は国際金融局次長まで昇り詰めたが、榊原英資氏(40年入省)に局長の座を譲り、国土庁へ出向。国土事務次官を退官後、アメリカの投資会社ローンスターの日本法人会社の会長を経て、2006年6月、新藤恒男頭取(大蔵省出身)の後を継いで西日本シティ銀行頭取に就任している。
地銀協会長は長い間官僚出身者の指定席であったが、小川是横浜銀行頭取(大蔵事務次官)を最後(07年6月~11年6月)に、仲西勝則静岡銀行頭取、佐久間英利千葉銀行頭取、谷福岡銀行頭取と、3代続けてプロパー頭取が続いている。
「九州初の地銀協会長が誕生した裏には、大蔵省出身で人脈の広い久保田頭取を会長に就任させるための伏線ではないか」とのうがった見方も出ている。
なお、副会長・専務理事には大蔵省(現財務省)出身で金融庁監督局長などを歴任した西原政雄・前民間都市開発推進機構専務理事が就任している。
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