福岡市に1軒の衣類リサイクルショップ「ゆう*あい藤崎店」がオープンした。5月13日より福岡市早良区のグリーンコープ藤崎店隣で営業を開始。同店は社会福祉法人グリーンコープが運営しているが、単なるリサイクルショップではない。タンスに眠っている衣類などで国境を越えた子育て支援を行なっている。
<衣類提供でパキスタンの学校支援>
2010年秋に始まったこの事業は「ファイバー(繊維)リサイクル事業」と呼ばれる。市民から届けられた衣類や雑貨などをパキスタンに送り、現地で販売。その売上でパキスタンのスラムにある学校を運営するという取り組みだ。
グリーンコープが会員を中心に衣類や雑貨の提供を呼びかけ、ファイバーリサイクルセンター(福岡市東区)に届けられる。届けられた衣類などは選別にかけられ、種類ごとに梱包後、パキスタンへ海上輸送される。到着後は現地の衣類卸業者に適切な価格で販売し、その売上でスラムの学校を支援している。
一方、日本国内でも衣類のリサイクル販売を行なっており、福岡県3店舗、佐賀県、熊本県、鹿児島県1店舗ずつでだれでも購入が可能。国内店舗での売上は事業の運営費に充てられる。届けられた衣類や雑貨の8割がパキスタンへ、2割が国内販売へと回る。
同法人は事業を通じて、「リユース・リサイクルの推進」「生活困窮者の自立支援」「国境を越えた子育て支援」の3つを目指している。
購入したものの、一度も使ったことのないものは意外と多い。そのままタンスにしまっておいても、かさばってしまう。そんな眠っている衣類が店内できれいに並べられ、再度商品に生まれ変わることで、衣類が第2の人生を歩むことになる。物をリユース・リサイクルすることにより、資源の有効活用やゴミの減少が期待できる。
<働く習慣を取り戻し、自立支援>
グリーンコープファイバーリサイクルセンターでは、生活困窮者の自立支援、職業訓練の場として、衣類の選別作業が行なわれている。同センターには大量の衣類や小物が混ざった状態で届けられる。これらを種類別や国内販売用、海外支援用に選別していくのである。作業者はこれを通じて、生活のリズムや働く習慣を取り戻し、少しずつ自信を持つことができているという。
この事業を通じて、同法人はパキスタンのカラチ市にある無料の学校「アル・カイール アカデミー」を支援している。同校はスラム地区の子どもたちに教育を受ける機会を与えたいと考えた校長のムハマッド・ムザヒル氏が1987年に開校。現在、約3,000名の子どもたちが学んでいる。日本から届けられた衣類や雑貨などが現地で販売され、その売上が学校の運営や教材、給食の費用などに充てられている。約10キロの衣類で子どもひとりが1カ月学ぶことができるという。
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衣類の提供を希望する方は、ファイバーリサイクルセンターに持ち込むか、宅配業者に集荷を依頼することができます。詳細は下記まで。
<衣類、ヤマト運輸の専用送り状に関するお問い合せ>
■グリーンコープファイバーリサイクルセンター
所在地:〒813-0034 福岡市東区多の津1-17-2
TEL:092-623-0294 火曜日~土曜日 午前9時~午後5時
(※ショップ営業時間 火曜日~土曜日 午前11時~午後5時)
<衣類の購入について>
■リサイクルショップ「ゆう*あい」香椎店
所在地:福岡市東区香椎駅前2-52-1 2F
TEL:080-1530-8955 営業時間 午前11時~午後6時 日曜日店休
■リサイクルショップ「ゆう*あい」藤崎店
所在地:福岡市早良区高取1-3-25
TEL:092-845-3331 営業時間 午前10時~午後7時 日曜日店休
その他店舗情報は下記HPより
社会福祉法人グリーンコープ ファイバーリサイクル事業部>>
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