日本ではあまり見ることがない、もしくは、日本では高価な果物が、台湾では豊富に揃う。ワックスアップルと呼ばれる「蓮霧」などはその代表的な果物の一つで、台湾の家庭におじゃますると、「客人おもてなしフルーツ」として振る舞われることも多い。シャキシャキとした歯触り、あっさりとした甘さに「台湾フルーツの味の原点」を感じる観光客も多いと言う。台湾はフルーツ(水果)の宝庫でもある。
それぞれの果物には味や食べ方に特徴がある。芭樂(グアバ)はカットして梅の粉をまぶすと果肉そのものの甘みが引き立つ。木瓜(パパイア)は、胃腸の調子を整えると言われており、台湾夜市では牛乳とミックスしたパパイアミルクとして売られている。百香果(パッションフルーツ)は香りが高く、緑茶とミックスしたり蓮根と漬け込んだりする食べ方もある。楊桃(スターフルーツ)は日本で馴染みが薄いが、台湾ではよく目にする。棗子(ナツメ)も日本では目にする機会はほとんどないが、梨やリンゴに食感は似ており、ほんのりとした甘さが際立つ。芭樂は2月~9月、木瓜も2月~9月、李子(プラム)は4月~6月、ライチが4月~7月、百香果6月~2月と、種類によって「旬」も違ってくるが、これから夏に向け、台湾では多くの果物が旬を迎える。
台湾フルーツの中で日本人に最も人気が高いのは「芒果(マンゴー)」。なかでも一般的なのは「愛文芒果(アップルマンゴー)」だ。かき氷のトッピングとしても人気が高い。アップルマンゴーの旬は5月~10月。夏には最高の「食べ頃」を迎える。台湾マンゴーの種類はさまざまで、土芒果、玉文芒果、黄金芒果、黒香芒果、凱特芒果などがあり、種類によってシーズンも違う。日本からもイチゴやキウイなどの果物を台湾に売り込もうという計画は少なくないが、一般的な価格に設定しづらく、高価な果物になってしまうのがネックだ。さらに、台湾はフルーツがもともと豊富なため、外国産が勝負に苦しむことも少なくない。台湾バナナは世界的にも有名で、濃厚で強い甘みは、日本の消費者をも虜にしている。
台湾の各都市には老舗の果物屋があり、店先のテーブルで新鮮な果物を食べることもできる。台北市の陳記百果園、台南市の莉莉水果店などが、地元の人々からの人気も高く、店長に尋ねればお薦めのフルーツを出してくれる。
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