(有)ダイギンエステート(以下、ダ社)代表・大山晟徳容疑者(福岡市東区舞松原5)らが「アオキ」や「えびす」の名前で質屋を装って違法な高金利で現金を貸し付けていたとして出資法と貸金業法違反の容疑で逮捕された。同事件で、ダ社と(株)恵比寿の事務所が入居するビルに、大山晟徳容疑者が代表を務める企業が複数入居していることがわかった。
福岡県警が逮捕したのは、大山晟徳容疑者のほか、ダ社専務で、恵比寿の代表大山貴博容疑者ら4人。約1万人の年金生活者らを食い物にして荒稼ぎして得た巨額のお金は約80億円にのぼるとみられている。
関係者によると、年金を担保にする手法は、大山晟徳容疑者が代表を務める(有)九州年金センター(1988年設立。現在の(有)ダイエー信販)以来のものだという。
大山晟徳容疑者は、ダ社のほかに、(株)NBファイナンス(2009年7月、貸金業登録を廃業)の代表、(有)成城開発の代表を務める。成城開発は、不動産業などを営む会社で、関係者によると、「成城開発は以前、恵比寿、ダイギンエステートと同じ場所にあったが、現在、成城開発は移転し、ダイギンは廃業した」という。登記簿などによると、成城開発の事務所は2013年3月まで、ダ社と恵比寿両社の本社(博多区住吉5丁目)と同じ場所の第二成城ビルの1室にあった。現在も3社の名前と「大山」の表示が残っている。
成城開発の移転先は、博多区博多駅前3丁目のビルの一室である。同ビルは、大山晟徳容疑者らが代表を務める会社が集結した様相をみせる。郵便受けの表示などによれば、恵比寿、ダイエー信販、NB社のほか、(株)ダイキが入居している。ダイキは、2008年に貸金業を廃業。廃業当時の代表は、ダイエー信販や成城開発の取締役でもある大山慶子氏。
成城開発に、ダ社や恵比寿との関係を取材すると、「その件については、お答えしていません」との回答があった。
ダ社と恵比寿に対しては債権者による破産申し立てがされ、2社の財産について保全命令が出され、財産の移転が禁じられている。今後、大山晟徳容疑者が蓄財した資産にメスが入るか注目される。
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