先日、公共のバス車内で起きた放火事件の影響で、端午節(6月10日から12日)の連休以降、地下鉄をはじめとした中国国内の公共交通機関で、手荷物検査の厳格化が導入された。
アモイ市で6月7日、すし詰めのバス車内から突然出火し、乗客の多くが焼死するという痛ましい事故が起きた。原因は乗客の1人が車内で焼身自殺を図ったことによる火災とされているが、この事故で、乗客ら47人がバスから逃げられずに焼死したという。
この事故から、政府当局は現場での持ち物検査を強化するよう通達し、連休中からスタートした。現場では、ほとんどの国民が素直に指示にしたがっていたというが、強行突破する者やスタッフともめる者なども現れ、初日から早くも小さなトラブルが散見されたという。
日本でもテロなどの大事件が起こった際、直後は厳戒態勢が敷かれたり、駅や公共スペースからゴミ箱が撤去されたりと、市民にとっては不便な対策が行なわれてきた。同様の対策は中国でも割と迅速に実施されていて、旅行者などが中国に行った際、通常と異なる対応には、注意が必要だ。
インターネット上には、「連休中だったから人が少なくて良かったが、平日にこんな状態では大混雑になる」との批判の声も。なお地元紙には、「思いのほか早い段階で、通常レベルの手荷物検査に戻るのでは」との冷めた見解が掲載されている。
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