ラブホテルと飲食店が密集するエリアのど真ん中。パチンコ屋のダクトから排気が流れ込み、避難路になる道路は一方通行で交通量が多く、2人並んで歩くこともままならない狭さ。劣悪な環境と言わざるを得ない敷地へ、老朽化した中央保育園を移転し、定員300名の保育園として新設しようという福岡市政に、市民から怒りの声が噴出している。
問題の土地は今年4月、地元の不動産業者(株)福住から市が約9億円で購入した。市の予算を投じる以上、福岡市議会において必ず問題の土地購入に関する議題があったはずである。調べてみると、2012年9月18日に開かれた、子ども育成、社会福祉、保健衛生、教育などを担当する第2委員会において、問題の土地購入に関する質疑がなされていた。
当初、質疑はPPP事業として行なわれる福岡市立中央児童会館の建て替え事業に関するものであったが、計画で移転が前提となっている中央保育園にも話がおよんだ。(以下、ワク内は引用)
委員「代替地の立地については、周辺にパチンコ店の建設が予定されるなど、保護者から懸念の声も出ていると聞くが、把握しているか」
市「予定地周辺にパチンコ店建設の計画があるのは事実である。また、保護者から前面道路の交通量が多く安全性について意見が出ている」
委員「狭隘な道路やパチンコ店に加え、予定地周辺にはラブホテル街があり、保育所用地として適地なのかという声はあるが、他に用地がないということで、当該地に決定された。(後略)」
この後、安全性の面から移転に関して委員から再び確認がなされた。
委員「中央保育園の移転については、現実問題として保育需要があっても用地がなかなかないことは認識しているが、環境に課題があることも否めない。前面道路が非常に狭隘で、状況によっては人と車が離合するのも厳しいが、どのように認識しているか」
市「当該道路の交通量が非常に多いことは認識している。保育所の送迎時は保護者が同伴するので、送迎自体は可能と考えているが、より安全に送迎等ができるよう、今後道路管理者である中央区とも協議していきたい」
議事録を見る限り、中央保育園の移転用地の問題について、市議会が把握していたことは明らかだ。ある意味、知らずに通していたというのよりもタチが悪いと言える。結局、指摘された問題は無視されるかたちで土地売買がなされた。NET-IBの読者から、問題の土地購入を見過ごした福岡市議会に対し、以下のような怒りのご意見メールが届いたので紹介する。
最も恥ずべき議員は第2委員会の議員たち。なにを審議しているの? 「保育所の土地買います」「あっそ、何も問題ないよね?」「もんだいありませ-ん」。何を審議していたの? 図面見ればラブホ・パチンコ屋に囲まれていることにも気が付かないの? 議員って、そんなに鈍感な、ポン助ばかりなの。税金払うのがばかばかしくなっちゃった。みんなで、当分の間、不払い運動しませんか? 月額100万とボ-ナスをもらい、山笠の台上がりして「よっ税金泥棒!」と言われないでくださいね。
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