南京市で純金のネックレスを奪った男2人が昨年末、裁判所から懲役8年の実刑判決を言い渡された。しかし、刑が確定したにも関わらず、被告の男は再度告訴(日本では再審請求?)に踏み切ったという。理由は、金の価格が暴落しているなかで、被害総額が高いままで評価されているのはおかしいというものだ。そして、被害総額を計算し直した上での減刑を求めているという。
純金のネックレス2本分、合計100グラムの被害総額は4万3000元、日本円で約60万円と見積もられていたが、現在の金の相場に照らし合わせると、約2/3の42万円にまで下がってきているという。被告人は、過去6カ月で最も高い相場を被害総額にしているのは不合理で、罪はもっと軽いはずだと主張している。
この前代未聞の主張を、さっそく地元紙が取り上げ、その記事はあっという間に中国版ツイッター・微博で拡散されている。その書き込みによると、「盗っ人の主張などあり得ないし、罪はどれも同じだ」、「厚かましい」などの批判的な意見が多数を占めるなか、「罪を犯した人間に不利な裁判だ」など、被告人を擁護する意見もちらほら見受けられている。
「犯罪者にも人権がある」という言葉を最近よく耳にするが、相場の乱高下に翻弄される犯罪者の肩を持つ気には到底なれない。
※記事へのご意見はこちら