ラブホテルが密集し、パチンコ店が隣接する土地に中央保育園を移転・新設しようという福岡市の計画が大きく後退した。社会福祉法人 福岡市保育協会は、現在の移転候補地に対する反対意見などがあることから今月17日の着工を延期。来年4月の開園を断念したという。
19日の記者会見で、この移転計画について高島宗一郎福岡市長は、「現地のニーズがある」などと説明していたが、今後、反対する保護者らにどのように向き合っていくかが問われる。保護者らは住民訴訟も辞さないなど強い覚悟でこの問題に臨んでおり、「子どもたちの教育を守ろう」という親たちの真摯な想いに、賛同する福岡市民は増える一方だ。
今回の着工延期で移転計画の進行が遅れ、中央区の保育行政に支障が生じることは間違いない。そして、福岡市が約9億円で問題の土地を買収した責任は高島市長にある。これ以上、混乱を長引かせ、市民生活に悪影響を与えるぐらいなら、高島市長は、いっそのこと問題の土地を同じ金額で購入し、早期に決着をつけるべきである。
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