20日、社団法人 国土政策研究会が主催する6月度の国土政策セミナーが福岡市博多区で開催された。本セミナーは毎回テーマを変えて行なわれ、今回の講師には、国土交通省 九州地方整備局の村岡猛 港湾空港部長が招かれた。村岡部長は豊富な資料を参加者に配布し、博多港や福岡空港の整備などについて、現状と課題を説明した。
今回のセミナーでは、とくに博多港のクルーズ船対策に力点がおかれた。アジア地域の中間・富裕層が利用するクルーズ船の寄港数は増加しているが、博多港の港湾機能の強化が追いついていない。福岡市の推計によると、外国からのクルーズ船が博多港へ1回寄港した場合、同市に与える経済効果は4,400万円、年間では110億円にのぼる。対策として、大型クルーズ船の複数同時入港に対応するための、博多港中央ふ頭地区のふ頭拡張があげられている。
質疑応答では、参加者からは福岡市の大型クルーズ船対策を消極的とする意見があがった。こうした声を受けて、主催団体の理事である藤本顕憲市議は、「素晴らしい景観の長崎や鹿児島の港に比べ、博多港は、船荷の横にクルーズ船を横付けしている」との認識を示し、博多港の整備を早期に進めていく必要があると語った。
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