地域密着型の企業として福岡県糸島市に本社を構え、太陽光発電の販売・施工や建築リフォーム、防水・塗装工事などを行なっている(株)九州住建。多様に拡大する市場と増え続ける企業のなかで、地域とともに生きる同社の今後の展望とは――。
<社員との絆が強みに>
笠社長の座右の銘は、『自分の幸せを望むのであれば、まず先に人の幸せを願うことが大切である』というもの。そんな笠社長にとっての事業とは、何よりも人の幸せをつくるものだという。
「私や会社を支えてくれている社員の幸せを第一に願うようにしています。そのためには、社員を支えてくれる、社員の家族が幸せになってくれなければなりません。したがって、社員の家族の幸せも願うようになります。その家族は地域に暮らしていますから、地域が幸せになる必要があります。そういった幸せの循環を生み出す歯車の1つになれれば嬉しいです」(笠社長)。
社員1人ひとりが幸せな環境で仕事ができるようになること、そしてそれによって家族、地域が幸せになること――。これが同社の考え方の根本にある。そのため、同社では何よりも社員がイキイキと仕事ができる環境づくりに力を入れている。たとえば同社では、単に工事部門は工事を、営業部門は営業を、経理は経理をというような考え方ではなく、その部門の垣根を越えて話し合い、提案し合うことが社風となっている。そして、たとえ若手であっても、良いアイディアであれば採用されるという。
「自分の意見が通る会社で働くということは、言われたことをただこなすよりもイキイキと仕事ができるのではないでしょうか」と笠社長。こういった考え方は全社員に浸透しており、それが何にも変え難い同社の強みとなっている。
<地域に根差して幸せの連鎖>
同社は、営業エリアの拠点を本社のある糸島市としている。これは、何かあれば即座にお客さまが駆け込んでくることのできる距離だ。また同時に、悪評が広がれば誰も相手にしてくれなくなるエリアでもあるため、自らにリスクを課していることにもなる。このように同社は、"逃げない"姿勢を見せることで信頼獲得に努めているのだ。同社は、かつて街角で見かけたタバコ屋のように、地域との同化にこそ社の存続をかけた。
「私たちは、狭いエリアで顔と顔を突き合わせて商売をさせていただいております。自宅も糸島市にありますし、私や社員がおかしなことをしようものなら、仕事はおろか、住むことすらままならなくなります。正直に、そして真面目に仕事を積み重ねていくことでしか、我が社は存続し得ません。地元にこだわり、地元に根差した商売をしていくことこそが、私の理念に則しています。このスタイルは、これからも変えるつもりはありません」(笠社長)。
笠社長は、地域の役員を7年間務めるほか、社会貢献活動にも積極的に参加している。そういった地域とのつながりのなかから絆が生まれ、幸せの連鎖が実現できると信じているのだ。そんな笠社長が率いる同社は、太陽光パネルの施工・販売を通じて、より多くの人の幸せをつくっていくことを生業としているようだ。
「人の幸せを心から願えば、自分も幸せになれます。そして、お金は必ず後から付いてきます。信念を曲げずに、心と心の商売を続けていきたいと思います」と笠社長は笑顔で語る。
地域とのつながりが希薄になっている現代社会のなかで、人と人、心と心の通う商売を目指す同社。今の時代こそ、この姿勢からいろいろと学ぶべき点は多いように思われる。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:笠 俊治
所在地:福岡県糸島市前原東1-6-3
設 立:2002年5月
資本金:1,000万円
TEL:092-332-1231
URL:http://www.q-j-k.co.jp/
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