福岡空港周辺で不動産業、建貸事業さらにパーキング(駐車場)事業を展開している(有)博多の森不動産。1988年の設立以来、「お客様に感動してもらう仕事をしよう」をモットーに顧客の心に飛び込むことを忘れない。今年、新事業で海外進出を果たした。4月にカンボジアに海の家をオープン。7月には和食レストランも開業予定だ。10年の教師歴で培った人間力で人の心をつかみ続ける同社代表の曽根崎淳氏にカンボジア進出について聞いた。
――今後の展開を教えてください。
曽根崎淳氏(以下、曽根崎) アンコールワットのあるシェムリアップ、首都プノンペンに次ぐ観光地として、シアヌークビルの海をアピールしていきたいですね。アンコールワットとプノンペンを回っている団体ツアーのなかに、シアヌークビルを入れてもらえるように精力的に動いていきたいと考えています。すでにシェムリアップの旅行会社にも提案はしています。またカンボジア国民には海水浴がまだまだ定着していません。啓蒙活動を継続し、レジャーとしてカンボジアのファミリー層を取り込みたい。バナナボート、水鉄砲などの家族で楽しめるアクティビティを充実させたいと考えています。
実際、海の家だけでは大きな利益を出すことはできないので、7月に和食レストランをオープンする予定です。オープン前に試験的にすしを販売したのですが、注文が多く販売は好調です。ヨーロッパの方に日本食、特にすしを好んで食べていただいています。レストランが軌道に乗れば、周辺で土産物屋や宿泊者用バンガローなどBlueOceanグループを多店舗展開し、ブランディングを図ろうと思います。
――カンボジアには旅行者が購入するお土産があまりないと聞いたことがあります。
曽根崎 そうなんです。それも今、開発中です。すでに日本人女性がアンコールワットでクッキーを販売し、好評を得ているようです。それに続くものを開発できないかと検討中ですね。できればカンボジア人が作って、利益を地元の方に還元できるようにしたいと思います。今は多くの企業が、現地の方々を低賃金でよく働く労働力として捉えているかもしれません。でも所得を底上げしていかないと。
――将来的な展望は?
曽根崎 本業が不動産業なので、最終的にはカンボジアでも分譲事業などの不動産業を考えています。もうひとつが教育事業ですね。将来的には職業訓練校のような施設を運営し、カンボジア人の人材育成を行ないたいと考えています。
それらを2、3年の間に、形にしたいと思います。幸い、カンボジアに関わりを持ち始めてから、本当に人脈に恵まれました。普段ならご一緒できないような方とも同じテーブルに着いて、意見交換ができる。カンボジアのおかげです。
【取材メモ】
「もともと教師をしていたのもあり、育っていく、成長していく姿を見るのが好きなんです」と語る曽根崎氏。カンボジアの成長を心から望んでいると感じた。最後にひとつのエピソードを記す。
「ある日、店舗にいた全員でゴミ袋を抱えて、浜辺のごみ拾いをしていました。すると、自然に近所の子どもも参加してくれて、掃除の時間がとても楽しかった。帰り際、清掃前はあいさつしなかった子どもたちが手を振ってくれました。子どもたちにとっても、ごみがないほうが良いんです。やはりこちらから仕掛けていかないと。待っていてもなにも始まらないんです。」
≪ (中) |
<COMPANY INFORMATION>
(有)博多の森不動産
所在地:福岡市博多区空港前4-18-8
設 立:1988年11月
資本金:300万円
TEL:092-621-8800
URL:http://www.anet-g.co.jp/index.html
※記事へのご意見はこちら