物価が安くて食べ物が美味しいことから、サラリーマンが最も転勤したい街と言われる福岡。中国でも、この類の都市ランキングの記事は人気だ。最近、老後に過ごしたい都市ランキングが経済情報誌に掲載され、話題となっている。
記事によると、老後に過ごしたい都市ランキング1位は、四川省の省都「成都」だ。理由としては、内陸部で最も医療施設が充実しているからだという。総合病院が約20もあり、医療技術も国内でトップレベルだという。
また、第2位となった雲南省の「昆明」も内陸部の都市だ。昆明は一年中色とりどりの花が咲き乱れる自然豊かな街で、気候にも恵まれているという。物価も非常に安く、とくに不動産価格が安いという。土地の価格は1m2あたり5,000元(日本円で約8万円)で、一般庶民でもマイホームが手に入る可能性が高いということだ。医療施設も充実していて、「都市生活快適指数」なる指標も高いという。
3位には大都市「上海」がランクイン。中国最大の都市は、先進医療の充実、世界最大の貿易、経済の発展と、何でもそろうことで、高齢になってから住んでも安心なのだろう。そして、4位に大連、5位に海口と続く。ランキング上位には「医療施設の充実」と「安い物価」が最も大きな理由として挙げられている。5位の「海口」は、トップ10入りした都市のなかでは不動産価格が最も安く、環境が最も良い街の1つとされている。
たしかに、大きな住宅ローンを抱えながら、老後を過ごすのも心配だし、医療施設が発達していない都市は何かと不便だ。その点では、中国人も日本人の考え方と同じだろう。ただ、ランクインする大きな理由の1つに、「環境面」が出てきているのは中国ならではかもしれない。「PM2.5」の問題や河川の汚水問題が大きく報じられるなか、少しでも環境の良い街で老後を過ごしたいという中国人のニーズは、ますます高まってきているのである。
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