中央保育園移転をめぐり、誰もがとても納得できない市側の説明が続いている。26日に開かれた福岡市議会第2委員会では、委員である市議会議員から移転計画に関連する質問がこども未来局に殺到。吉村展子局長以下、部長、課長らの苦しい答弁を受け、計画の見直しを求める意見が相次いだ。
今回の質疑応答により、土地選定の不透明性はますます高まった。以下、市側の答弁を整理する。
「2011年3月11日の東日本大震災を受けて、02年に耐震性に問題があると診断された福岡市立中央児童会館の1階にある中央保育園の在園児の安全性を早期に確保する必要があると、こども未来局が判断。副市長とも相談したが、局の方針で同年5月頃から移転候補地を探した」
「移転候補地の調査・検討は何月何日という記憶はないが、私(局長)が指示をした」
「7月26日の市政運営会議に2カ所の土地を提案したが、1カ所は参考程度」
「現在の移転候補地はコインパーキングで、登記で地権者が北九州の(株)徳増興産のみであると確認。確保が容易と判断したが、交渉はしていない」
「移転候補地は複数の職員が歩いて見つけてきた」
これらの答弁に対し、市議からは、「勝手に目を付けて、移転可能と判断したのか。通常ありえない」と指摘の声。たしかに、歩いて見つけ、登記で確認しただけでは、その土地を取得可能かどうかはわからないはずだ。違う用途で用いる計画や売却の予定などがないか、確認する必要があるだろう。早期確保を優先するならばなおさらである。中央保育園の移転計画は、出発点から不可解な点が多すぎる。
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