NET-IBは、6月中旬、参院選に福岡県選挙区から立候補予定の民主党・野田国義前衆議院議員をインタビューした。
――まず政治信条についてお聞かせ下さい。
野田国義前衆議院議員(以下、野田) 私は八女市町時代から「オープン・フェア・クリーン」をモットーにしてきました。すべてオープンにすることが説明責任にもつながります。そして「改革」は、既得権との闘いです。既得権をばっさり切る勇気が必要です。八女市長当時、人口5万人以下の自治体のなかでは、オープン度で日本一になり、市民の信頼を得ることができました。国ももっと情報をオープンにする必要があると思います。
――民主党政権時はどうでしたか。
野田 経験不足、力不足でした。民主党政権に代わった当初、長妻厚生労働大臣に対し、厚労省の官僚がサボタージュをしました。私も市長時代、同じ目に遭いました。官僚に情報を隠されてしまえば、トップでも干されてしまいます。私が市長だったときは人事もありましたが、市民を味方につけたことが大きかったと思います。同様に、国の改革を行なうには、国民を味方につけなければなりません。国民目線は大事です。
――九州北部豪雨被害では、国会で質疑もされていましたが、首長経験は復興にどのように役に立ちましたか。
野田 まず、地元は何を一番に求め、必要としているのかを考えました。このようなとき、基礎自治体である市は「県にやってほしい」、県は「国にやってほしい」となり、なかなか進みません。そこで、三者を同じテーブルに着かせて、素早い対応につなげました。
――国政復帰後に取り組みたいことは。
野田 地域主権的な観点から、民主党政権は、「ひもつき補助金」の廃止を目指し、地方の裁量で比較的自由に使える「一括交付金」制度を創設しました。ところが、現政権下では、これが廃止され、省庁縦割りの弊害や財政規律の緩みを招きやすい「ひもつき補助金」が復活しました。再度改革に取り組みたいと思います。
――憲法改正については、どのようなお考えを持っておられますか。
野田 憲法96条の改正によって、まず憲法の改正要件を、現在の3分の2以上から過半数に下げてしまうことには反対です。まるで裏口入学するようなものです。
――衆議院議員と参議院議員の役割の違いについて、どう考えておられますか。
野田 衆議院議員の場合、いつ選挙があるかわからないので、良く言えば民意に敏感、悪く言えば迎合主義的な面があります。本来、参議院議員のほうが、テーマを掲げてじっくり取り組める環境にあります。しかし、参議院も今は「政争の府」、「衆議院のカーボンコピー」になっています。選挙区の定数訴訟で、違憲あるいは違憲状態とする判決が次々と出されていますが、衆参の役割分担も含めて変え、昔のような「良識の府・参議院」を復活すべきだと思っています。
――衆参の役割分担を変える際、憲法の改正も必要ですか。
野田 憲法改正も含めて、衆参の役割分担の変更をしていかなければならないと、強く思っています。
▼参院選・福岡選挙区の立候補予定者公式サイト
・みんなの党 古賀 輝生 (こが てるお)氏
・民主党 野田 国義 (のだ くによし)氏
・共産党 真島 省三 (まじま しょうぞう)氏
・自民党 松山 政司 (まつやま まさじ)氏
・日本維新の会 吉田 俊之 (よしだ としゆき)氏
・幸福実現党 吉冨 和枝 (よしとみ かずえ)氏
※並びは50音順。
<プロフィール>
野田 国義(のだ・くによし)
昭和33年福岡県八女郡立花町生まれ。農家の長男として広川町で育つ。福岡県立福島高等学校卒業。日本大学法学部卒業。代議士秘書を経て、平成5年に34歳で八女市長に初当選。全国最年少市長となり「八女のクリントン」と呼ばれ全国の話題となる。「改革派・市民派市長」としてオープン・フェア・クリーンの政治姿勢で4期16年市長職を務める。その後、政権与党の衆議院議員を3年3カ月務める。
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